HOME |灯籠流し、被ばく懸念で見送り 福島・阿武隈川 (河北新報) |

灯籠流し、被ばく懸念で見送り 福島・阿武隈川 (河北新報)

2013-08-15 08:53:52

会場の阿武隈川。右側の岸に灯籠を並べる代替行事に切り替えて実施する=福島市
会場の阿武隈川。右側の岸に灯籠を並べる代替行事に切り替えて実施する=福島市
会場の阿武隈川。右側の岸に灯籠を並べる代替行事に切り替えて実施する=福島市


福島市でお盆明けの17日に行われる伝統行事、阿武隈川の灯籠流しを主催する「福島とうろう流し発興会」は、福島第1原発事故で川が放射能に汚染され、灯籠の回収作業に被ばくの危険が伴うとして、ことしの実施を見送ることを決めた。実施しないのは3年連続。同会は今後も一定期間は実施できないとみており、ことしも昨年、一昨年に続き、灯籠を川岸に並べて観賞する行事に切り替える。
灯籠は例年、7000個を会場の福島県庁裏から流していた。福島大水泳部の協力を得て、会場の約100メートル下流(水深30~50センチ)で学生が川に入り、流した灯籠を人海戦術で回収していた。

 

会事務局は「原発事故で放射性物質が川底に沈殿した可能性があり、学生を川に入れるのは危険で避けたい」と実施見送りを決めた。原発事故の起きた2011年から続く措置で、今回も倣った。

 

環境省水環境課によると、会場の約2.4キロ上流の川底の土の放射性物質濃度は1キログラム当たり250ベクレル(6月28日時点)で比較的高い。

会事務局は「川底は川岸と違って除染できないので危険性は低減せず、今後も再開する予定はない」と話している。

代替行事は会場の川岸に7000個の灯籠を並べて明かりをともす。同時開催の花火大会は予定通り行う。

灯籠流しは1904年から毎年8月17日に行っていた。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130815t65013.htm