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東電福島原発 現状の水冷式もはや限界 空冷式の提案 (古賀ブログ)

2013-08-16 23:21:30

kogashigeakitwitter3_reasonably_small
kogashigeakitwitter3_reasonably_small汚染水の問題は、抜本的な対策をとる時期を失してしまったというのが、実態だ。しかし、吉田前所長が懸念していたとおり、水をジャブジャブと流し込んで大量の汚染水を作り続けるやり方を前提として、対策を行っていても答えが出ないことは明らかになってきた。そこで、思い切った発想の転換を考えるべきではないだろうか。

 

この点について、ある専門家から、水冷式をやめるべきだという話を聞いた。ごく簡単に説明すると、水を入れるのを止めて気体で冷やす方式に変えるということだ。水を入れなければ、原子炉内の核燃料の温度が上がる。原子炉格納容器には、実は一番外側に一定の幅の空間層があるそうだ。そこに冷たい気体を入れて循環させ、周囲から格納容器を冷やすというやり方だ。冷却能力の問題があるが、日本の技術であれば、現在の発熱量を抑えるだけの冷却能力を備えた設備を作ることは十分可能だという。

 

周囲が一定の温度に冷却されれば、再臨界などの危険は生じない。これまで格納容器を満たしていた水は一時的に熱せられて蒸発し、水はなくなり、その後新たな汚染水は発生しない。その上で、原子炉建て屋の底部を含め周辺から完全に遮蔽する作業を実施し、今ある汚染水や放射性物質が外部に漏出することを防ぐ措置をとる。日本には、巨大なLNGタンクを作る技術があるのだから、これを応用すれば、絶対に漏れない巨大な遮蔽構造を作ることは可能ではないかということだ。

 

私は、専門家ではないので、これを技術的に評価することはできないが、このアイデアは既に規制委員会のある委員に提案済みで、米国のNRC関係者にも近々送付されることになっている。規制委員会は、これから対策を考えると言っているので(何とものんびりした対応に今さらながらあきれるばかりだが)、是非そうした提案について、先入観なくオープンに耳を傾けてもらいたい。