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甲状腺がん43人に増加、二年半で子供10万人当たり25人の福島、五年で子供10万人当たり11人のチェルノ(ゴメリ)地域を上回る(木下ブログ)

2013-08-21 00:36:36

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fukushimafadfd14f14c8fcb4f640f209e572136cこれは、一次検査176,882人中、今回44人について甲状腺がんとがんの疑いと言う事です。

このうち事前に悪性疑いだったものの、術後に良性と診断された1例を除けば、43人となります。

ただしこの後の記述は、手術後良性例も含めて、44人をベースに続けます。

二次検査受診する人数が1,167人のうち、768人が受診済みでの結果ということです。

男女比は、男が18例、女が26例。女がやや多いが、甲状腺がんのリスクは、女のみでないことも良くわかる結果です。

平均年齢は、16.6±2.7歳(震災当時14.7±2.7歳)。最年少は事故当時、6歳の女児。

平均腫瘍径は、15.4±7.6mm

 そして、福島では、事故から2年半近く経過しての今回の発表では、

子どもの甲状腺癌(疑い例含む)の頻度は10万人の子どもあたり24.9人となります。

比較の材料として、ユーリー・バンダジェフスキー博士が僕に伝えてくれた話と比較して下さい。

「1991年(事故5年後)に、チェルノブイリ原子力発電所で事故によって最も影響を受けたゴメリ地域では、子どもの甲状腺癌の頻度は10万人の子どもあたり11.3人でした。この中にふくまれますが、少女は、10万人あたり16.8人となります.」

 

分かりやすく整理しておきましょう。

〈チェルノブイリ事故のベラルーシ・ゴメリ地域と福島の甲状腺がん比較〉

事故後5年経過のゴメリ地域⇒10万人の子どもあたり11.3人

事故後2年半近く経過の福島⇒10万人の子どもあたり24.9人

 

どんなに楽観材料を提示しようとしても、数字ははっきりしています。チェルノブイリの経験があるから、日本は対応をすすめているので、結果が二年半の時点で早くわかっていることだけが、楽観材料です(何をどう楽観できるのかは僕もわかりません、早く発見していることは機械性能や過去経験からの学びによるものだという話であって、いずれにしても二年半が経過しただけの時点、通常の癌の進行スピードから考えて、早い段階で、甲状腺がんが多く発見されています。)。

深川市民病院の松崎医師にも伺いました。

「あきらかに甲状腺がんは多いんですよね。機械がいいからみつかるとか言っていますが、すでにチェルノブイリを上回る状態なのは明らかです。前も同じことをいいましたが、さらに状況進んでいると言う事です。見つかっている腫瘍の平均が15.4ミリになっていることを考えると、機械の性能がどうのこうのという次元の話ではないと思います。あきらな事例が増えているという事ですよ。二年でこうだということは、とにかく今は大丈夫な方も、一年ごとかに検診は引き続き行うしかありません。地域も福島に留まる話ではないと思いますよ。」

福島では「チェルノブイリで甲状腺がんは4年後からだから違う」という言い訳にもならない話ばかりを言い続けていますが事態ははっきりしています。また発表する間隔が、前回よりも詰まっていることも少し気になっていて、三か月以上あけると、さらに二次検査例からわかる悪性の実数が増える目算も考えて、はやめはやめにガス抜き的に発表をしているようなニュアンスを僕は感じています。

http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/eea26e037975d2b78bb6bb6a6aeccede