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関電送電線談合 情報漏えいの社員数240人にのぼる 予定価格など業者に “組織ぐるみ”談合明らかに (各紙)

2014-02-05 21:22:13

社員の談合大量関与を認める関西電力の記者会見
社員の談合大量関与を認める関西電力の記者会見
社員の談合大量関与を認める関西電力の記者会見


関西電力は4日、公正取引委員会から告発された同社発注の送電線工事談合事件で、同社の社員計240人が予定価格などを事前に業者に伝えていたことを明らかにする社内調査結果を発表した。関与社員は調査対象社員の約3割にあたり、”組織ぐるみ”の談合事件であることが浮き彫りになった。

同社は公正取引委員会の摘発を受けて、2009年度以降、送電線工事の発注や設計に携わった社員を対象に社内調査を実施した。対象となった社員数は795人で、そのうち、3割が何らかの形で業者や外部に情報漏洩を行っていたことになる。情報漏洩の常態化について、記者会見した野田正信執行役員は「深く反省している」と謝罪した。


 同社は広江譲副社長ら役員4人をけん責処分とした。4人は監督責任をとる形で、月額報酬の10~20%を1カ月間自主返上する。




 情報漏洩の具体的内容は、工事の事前説明会で業者に予算水準を伝えたり、業者から示された金額に「もっと上」「下」と予算を示唆したりするなどの例があった。当該の社員は「断り切れなかった」「伝えてもよいと思っていた」などと説明しているという。ただ、全員が業者からの金品の授受などはなかったと回答したとしている。

関電は、独禁法に関する社員の意識や知識不足が不祥事の背景にあると説明しているが、情報を求める業者側には同社のOBらが天下りしており、発注側と受注側を、ともに関電の現役・OBが仕切る形で情報の漏洩が行われていたとみられる。談合によって事実上、高コストの発注が維持されてきたことになるが、発注側の関電は、その費用をすべて総括原価方式で電気料金に上乗せしており、談合のツケはすべて電力利用者に回されたことになる。




関電発注の送電線工事を巡っては公正取引委員会が1月31日、独占禁止法違反(不当な取引制限)で、電気設備工事会社61社に総額約23億7千万円の課徴金納付命令を出した。