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国内風力発電、2020年度に 現在の4倍増の1090万kWへ 原発10基分  日本風力発電協会が中長期目標設定(各紙)

2014-05-31 23:55:28

洋上風力発電の展開がカギ
洋上風力発電の展開がカギ
洋上風力発電の展開がカギ


各紙の報道によると、日本風力発電協会(東京・港)は30日、国内での中長期にわたる風力発電の導入目標をまとめた。2020年度に現在の4倍に当たる1090万キロワットを目指す。これは、出力ベースで一般的な原子力発電所の10基分に相当するという。

風力発電は部品点数が1万~2万と多い。また保守運用や保険など関連産業の裾野が広いことから、自動車産業に似て、発電機を設置する地域での雇用創出効果が期待される。同協会の推計によると、2020年度には国内での経済波及効果は約1兆1千億円、雇用創出効果は7万人強にのぼると試算した。


 今回の中長期目標は、国内各地での風力の強さや風力発電に最適な地域を選別して推計した。また既存の風力発電設備の容量なども踏まえて、風力発電事業の関連産業の将来需要を推計した。2020年度の目標値で陸上の風力発電所は1020万kW。洋上では海底に設備を固定する「着床式」が60万kW、設備を海面に浮かべる「浮体式」10万kWとしている。




 政府も設置適地が限られてきている太陽光発電に代えて、風力発電の設置を支援する方針で、特に洋上風力発電普及のため、今年度から固定価格買い取り制度(FIT)の買い取り対象に洋上風力を対象に加えている。2050年度の長期の導入目標では国内全体では7500万kWと、国内の電力需要の2割強をまかなえる規模を目指す。




 ただ、目標の実現には風力発電で生み出した電力を受け入れるための送電網の新増設や蓄電技術の開発発展などが不可欠で、現時点では克服しなければならない技術的課題があるのも事実だ。さらに他の石炭・ガスなどの化石燃料発電との競争に加えて、太陽光やバイオマスなどの他の再生可能エネルギー発電とも競合することから、今後の設備費、運転費のコスト抑制も大きな課題である。