HOME |高濃度焼却灰 セメントで固め埋め立て(東京新聞) |

高濃度焼却灰 セメントで固め埋め立て(東京新聞)

2011-09-01 16:38:43

環境省は三十一日、ごみ焼却場などで生じた放射性セシウム濃度が一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル超一〇万ベクレル以下の焼却灰やばいじんについて、セメントで固めた上で遮水シートなどで地下水への流出を防ぐ埋め立て処分の方針をまとめ、全国の都道府県などに通知した。

◆首都圏自治体 課題残る8000ベクレル以下




 

同省は有識者検討会に埋め立てを認める方針を二十七日に示していたが、複数の処理方法を組み合わせるよう求める意見があり、セメントで固めることを前提に三種類の埋め立て方法を挙げた。同八〇〇〇ベクレル超の焼却灰は現在、自治体側が一時保管しており、処理を進める契機となりそうだ。




 

方針は、埋め立て先として既存の最終処分場を想定。焼却灰などはセメントで均質に混合し、崩れないように固形化。遮水シートが敷かれた埋め立て場所に、セシウムを吸着する厚さ五十センチの土壌の層を設けた上で埋設する。




 

その際に(1)上下側面に水を通しにくい土壌の隔離層を設ける(2)長期間の耐久性のある容器に入れる(3)雨水が流入しない屋根付きの処分場に埋め立てる-のいずれかの措置をとるとしている。




 

さらに埋め立て後も排水などの監視を継続、土地の転用も制限する。




 

同一〇万ベクレルを超える焼却灰は、セメントで固めることで一〇万ベクレル以下に濃度が下がれば埋め立てが可能とした。処理にかかる費用の負担先は今後検討するとしている。




 

環境省は当初、同八〇〇〇ベクレル以下は最終処分場に埋め立て、八〇〇〇ベクレル超は一時保管するのが適当との方針を示していた。しかし東北や関東のごみ焼却施設などの焼却灰から八〇〇〇ベクレルを超えるセシウムが相次いで検出されたのを受け、最終的な処分方法を検討していた。




 

◇八〇〇〇ベクレル超の焼却灰などを一時保管してきた自治体にとって、埋め立て処分の方針が示され、解決の糸口ができた意味は大きい。




 

ただ、首都圏の多くの自治体が困っているのは、八〇〇〇ベクレル以下の汚泥や焼却灰。ルール上は通常の埋め立て処分ができるが、放射能汚染を恐れる住民らの声もあって実施できないケースが多い。




 

セメント原料などに利用するには値が高く、放射性物質の濃度を下げる処理が必要となる。やむなく一時保管を続けているのが現状だ。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011090102000034.html