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震災で閉校になった石巻・大川中学校跡地に野菜工場 メガソーラーも併設 地元企業が開設 地域活性化へ(河北新報)

2014-06-28 22:50:22

大川中跡地に整備された水耕栽培の工場で順調に生育する葉物野菜
大川中跡地に整備された水耕栽培の工場で順調に生育する葉物野菜
大川中跡地に整備された水耕栽培の工場で順調に生育する葉物野菜


東日本大震災の影響で昨年3月に閉校となった宮城県石巻市大川中の跡地に、宮城県東松島市の廃棄物処理会社「東部環境」が野菜工場を建設し、野菜の水耕栽培を始めた。敷地内に大規模太陽光発電所(メガソーラー)も整備する計画。地元の大川地区の住民を雇用し、新たな事業展開で地域の活性化を目指す。

大川中は津波で被災し、生徒の減少などもあって河北中に統合された。校舎が解体された跡地は約2.3ヘクタールで、同社が市と借地契約を結んだ。
 

大型ビニールハウスの工場は6月上旬に完成した。約2000平方メートルで、水を張った栽培ベッドでルッコラ、スイスチャードなど数十種類の葉物を生産。発芽から2~3週間で収穫し、7月からベビーリーフとして出荷する。
 

栽培ベッドの水温はコンピューター制御で一定に保つ。ハウス内の気温や空調管理なども徹底し、無農薬で効率的に育てることができる。
商品名は「良葉東部」で「イーハトーブ」と読ませる。「良質な葉物野菜を育てたい」という願いと社名を組み合わせ、読み方は宮沢賢治の作品に登場する理想郷から引用した。

 
メガソーラーは10月に着工し、来年春に完成の予定。太陽光パネル約5000枚を設置し、出力1200キロワットを見込む。

 
同社は以前から、業務拡大で水耕栽培とソーラー事業を検討していた。工藤豊和社長(47)の高校時代の同級生に大川地区出身者がいた縁で、大川中跡地での事業化を決めた。

 
雇用の確保につながるよう、パートを含む野菜工場の従業員約10人は地元住民を中心に採用するする考えだ。

 
工藤社長は「震災被害が大きかった大川中跡地には、いろいろな思いを抱く人がいると思う。新たな生産の場となり、地域の復興や発展のきっかけになることを願う」と話した。

 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201406/20140628_12025.html