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ドイツがフラッキング(水破砕法)によるシェールガス掘削禁止案 環境相らが認識一致 水質汚染・環境影響増大を懸念(各紙)

2014-07-06 01:13:29

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shalegasimagesドイツのメルケル政権は、脱原発を掲げたエネルギー政策の目玉の一つとして、ドイツ国内で豊富な埋蔵量のあるシェールガスの開発を目指しているが、閣内の環境、経済関連閣僚がシェールガス開発のための大量に水を使う破砕法(フラッキング)による採掘を今後7年間禁止する方針を打ち出した。


米ニューヨークタイムズ紙等の報道によると、ドイツの環境、エネルギー関連の担当大臣たちは、4日、環境上の課題を理由として、シェールガス、シェールオイルの開発を当面凍結する考えを明らかにした。


メルケル政権は昨年秋、フラッキング等の掘削法について一定の規制をかけて開発を認める法案の導入を打ち出していた。しかし、4日に記者会見した 連立政権の社会民主党所属のBarbara Hendricks環境相は、「経済・エネルギー大臣の Sigmar Gabriel氏との間では、法規制は最大限厳しいものとすることで合意している」と述べた。合意の中身については、「掘削は認められても、フラッキングは当分の間、経済的な理由があっても認められない」とで当分行われない」と語った。


ドイツは国内で消費するガスの大半を、現在はロシアからの輸入に頼っているが、国内には.今後30年のガス需要を十分に供給できる2.3兆㎥のシェールガス・油の埋蔵が確認されている。このため経済界は早期の掘削解禁を求めている。これに対して環境団体などは、水を大量に使う破砕法によって、飲料水の汚染の懸念のほか、化学物質を使うことによる土壌汚染などへの懸念から、規制の強化を求めている。今回の各閣僚の発言は、フラッキング手法への疑問を踏まえた慎重論とみることができる。


章典となっている開発規制法案では、飲料に使う水源近くでのフラッキングを使う地下掘削開発には制限をかける一方、伝統的な掘削によるガス・油の抽出は解禁する内容となっている。


http://www.nytimes.com/2014/07/05/business/international/german-proposal-to-curtail-fracking.html?ref=science&_r=0