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宮崎の霧島酒造 芋焼酎の廃棄物から発電する初の「サツマイモ発電事業」を開始。年1億5000万円の売電収入見込む(FGW)

2014-09-01 23:55:46

芋焼酎廃棄物のリサイクルプラント
宮崎県の地元焼酎メーカーの霧島酒造株式会社は今月から、芋焼酎の製造過程で生じる芋くずや焼酎粕を資源としたバイオマス発電である「サツマイモ発電」を始めた。

【リサイクルプラント】


【サツマイモ畑】





霧島酒造は、サツマイモを原料とした焼酎の製造工程で日量最大800トンも生じる焼酎粕のリサイクル事業を展開してきた。すでに国内最大級の焼酎粕リサイクルプラントを保有しており、今回、プラントから生じるバイオガスを有効利用するバイオマス発電に乗り出した。このサツマイモによる発電事業は国内では初めて、本格焼酎メーカーとしては国内最大規模の発電量となる。

焼酎粕とは、発酵した焼酎もろみを蒸留した後に残る残渣物のこと。芋焼酎の場合、一般の焼酎の約2倍の焼酎粕が残るという。粕には水分を約95%含んでいる。焼酎粕は2012年4月からは、法律により廃棄物処理が求められており、同社も率先してリサイクル化を進めてきた。

その結果、現在のリサイクルプラントでは焼酎粕をメタン発酵によりガス化し、焼酎製造工程で生じる蒸気ボイラー熱源として活用している。蒸気ボイラーにバイオガスを使用することで、同社工場で利用する総熱源量の46%はCO2削減された形となっている。ただ、熱源として有効利用できるバイオガスは総発生量の44%に留まっていた。そこで、残りの余剰ガスをほぼ100%有効活用し、年間約400万kWhの発電を行うことにした。

発電量は、一般家庭の消費電力量換算で約1,000世帯分の年間使用量に相当する。同社は全量を固定価格買い取り制度(FIT)を通じて九州電力にし、年間で1億5,000万円の売電収入を見込んでいる。

 






 同社は、「焼酎製造、販売だけでなく、リサイクル事業の推進を責務としており、発電事業によって地域の資源に立脚した企業として、地域の活性化を実現していく」と、サツマイモ発電を普及させる決意を語っている。

 

http://www.kirishima.co.jp/news/2014-08-29/pdf/news.pdf