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「越波式波力発電」に静岡の2社が資本提携し参加。40%の発電効率確保(各紙) 

2014-09-11 14:34:00

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namihatudenyh20140910kdwan_cs_460px静岡県を基盤とする協立電機とマンション販売のヨシコンは、将来エネルギーとして注目されている「越波(えっぱ)式波力発電」の実証実験を共同で始めるため、資本提携した。

 

協立電機はファクトリーオートメーション(FA)機器などを展開、ヨシコンはマンション販売と異業種だが、ともにジャスダックに上場している中堅企業。資本提携の柱の一つの越波式波力発電は、東海大学海洋学部海洋建設工学科の田中博通教授が中心になって、いであ、市川土木などとともに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で実証研究を進めてきた。

 

今回、協立とヨシコンは、幅20m規模の実スケールの設備を開発し、25kWの出力を得ることを目的とする。いであが海洋環境と波浪の調査研究、市川土木は発電装置の躯体の研究、協立は発電装置電機機械部門の研究、ヨシコンはコンクリート構造物の製造施工等を担当する。

 

越波式波力発電は図のような重力式躯体を建設する。図には3つ半の躯体が示されている。1つの躯体の幅は20m、奥行き・高さともに5m。図の右側が外海、左側は海岸線側の海面。躯体の断面は海底に置いた三角形のような形となるため、沖合から寄せて来る波は、設備にぶつかって躯体を駆け上り、海水面より高い位置まで達する。

 

その後、波は躯体に設けたスリットから、貯水槽に落ちていったん貯まる。貯水槽の底部には穴があり、そこからプロペラを経由して海水はさらに下に流れる。この過程で、波の運動エネルギーはいったん位置エネルギーに変えられ、プロペラの運動エネルギーに変換することで発電できるわけだ。波を受け入れるスリットは、上下2段に分かれており、合計20のスリットを用意する。落差が少なく流量が大きくなるという特徴がある。

 

背後の海面は静穏域となり、新たな漁場として活用できる。また躯体下部から海水が排出されることで、底層部分の海水に表層の海水が混ざり合わさることになるため、海岸部の水質環境改善効果も期待できる。また設備自体は既設の防波堤(消波ブロック)などの前(海側)に施工できることから、発電設備は広範囲に確保できる。

 

これまでのNEDOの実証研究では、10分の一スケールの装置で、発電効率40%を実現した。発電コスト40円/kWhの達成を目指すという。

http://www.kdwan.co.jp/news/2014/new140905.html