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住友商事 米国でのシェールオイル開発で1700億円の損失(各紙) 「シェール革命」はすべてがバラ色ではない

2014-09-29 22:24:06

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各紙の報道によると、住友商事は、アメリカで取り組んでいたシェールオイルの開発で、およそ1700億円の減損損失が発生し、2015年3月期は大幅な減益に落ち込むことを発表した。


住友商事の今期減益要因は、シェールオイルや石炭事業などで2400億円に上る(東京都中央区の本社)

米国ではシェールガス・オイルの開発が「シェールガス革命」と呼ばれるほど広がっているが、鉱区によっては見込んだほどの採掘ができない場合もあり、同社のケースも投資額に合わない結果となった模様。また豪州での石炭事業で300億円の減損損失を出すほか、ブラジルの鉄鉱石事業や米国のタイヤ事業などでも、それぞれ500億円、200億円の損失を見込んでおり、合計約2400億円の減益を計上する見込みという。

 

住友商事は米石油開発大手のデボン・エナジー(オクラホマ州)が権益を保有するテキサス州の西部パーミアン・ベースン地区にある鉱区に参入していた。日本企業が参入したシェールオイル開発としては最大規模で、鉱区面積は約2600平方キロメートルで住商は790平方キロメートルの権益を約13億6500万ドル(約1100億円)で取得した。

 

30%の権益取得額を含む住商の投資額は3年間で約20億ドル(約1600億円)とされていた。当初計画では、住商の持ち分だけで現在の日本の原油輸入量の約3%にあたる日量10万バレルを生産し、将来は日本への供給拡大につなげる考えだった。

しかし、想定通りの採掘ができないことから、開発鉱区のリース権、井戸・関連設備を他社に譲渡することにした。住友商事の高畑恒一常務は記者会見で、「地質が予想以上に複雑だった。シェールオイルの開発リスクをどう見極めるか、今後の大きな課題だ」と話したという。

 

 

日本企業のシェールオイル開発は、住商以外でも、丸紅が米テキサス州でフル生産時に日量1万数千バレルの鉱区に35%出資しているほか、三井物産もテキサス州の鉱区に出資している。

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