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三菱重工 電気を無線で送信に成功 宇宙太陽光発電実現に一歩。「5年後実用化目指す」。コスト低下が課題(FGW)

2015-03-13 15:06:03

受電側設備
受電側設備
受電側設備


三菱重工業は12日、将来の発電システムとされる宇宙太陽光発電(SSPS)の中核技術となる電気を無線で送信する実験に成功したと発表した。

発表によると、送電ユニットから10kWの電力をマイクロ波に変換して送り、500m先の受電ユニットに設置したLEDライトを点灯させることに成功した。この種の実験で送電量の10kWも、送電区間の500mも、ともに国内での記録を更新した。無線送電のビームが受電ユニット以外の方向に乱反射しないようにする制御技術の運用実験にも成功した。

おおもとの計画であるSSPSでは、宇宙空間に設置した太陽光発電施設で発電した電力を、無線を使って地上に送電するという壮大な内容だ。最大の課題は宇宙から地上への送電方法だが、今回の実験成功で、実用化に向けて一歩前進したといえる。

送電側設備
送電側設備


 

無線による電力送電が実用化されると、宇宙太陽光発電だけでなく、洋上風力発電からの送電や、走行中の電気自動車に無線で充電するシステムも考えられる。三菱重工では「無線送電」の5年後の実用化をめざす。夢の「宇宙太陽光発電」実現への期待が膨らむ。
SSPS計画では、太陽光パネルを地上から3万6,000kmの宇宙空間に打ち上げ、静止軌道上の太陽電池で24時間連続発電する電力をマイクロ波/レーザーにより地上に無線伝送、それを地上の受電ユニットで再び電気エネルギーに変換して利用する。

 

経産省は最大で原子力発電所1基分に相当する100万kWの発電を見込んでいる。しかし「2万5000トンのパネルを運ぶのにロケットを約2500回打ち上げる必要がある」など、技術的可能性が高まっても、現時点ではコスト面の課題が大きい。今後は、発電設備と送電設備をどこまで小型軽量化できるかが課題といえる。

http://www.mhi.co.jp/news/story/1503125626.html