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リコー 環境発電の「発電ゴム」開発。圧力や振動を加えるだけで数百ボルトの発電が可能 医療機器センサーなどに活用(FGW)

2015-05-22 01:18:56

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hatsudengomu20150520_d1リコーは、圧力によって発電する環境発電(エネルギー・ハーベスティング)の一つである新しい柔軟材料「発電ゴム」の開発に成功した、と発表した。

 

発電ゴムは、同社と東京理科大学の山本貴博准教授らが共同開発を進めているもの。今般、圧力や振動によって、瞬間的に数百ボルトの電圧を得ることに成功した。

 

従来あった、圧力による発電材料としては、セラミックスや高分子樹脂などを使ってきた。このうち、セラミックは比較的多くの電力を発電できるものの、、セラミックスのため壊れやすいことや、重さなどが課題となっている。PVDFなどの高分子樹脂は薄くすることによる柔軟性はあるが、発電できる電力量が限られてる。

 

今回、リコーが開発した「発電ゴム」は、柔軟性の高いフレキシブルなシート状でありながら、セラミックス圧電材料と同等の高い発電性能を持っていることが特徴。セラミックスや高分子樹脂の利点である高出力と柔軟性を両立させることで、活用用途は格段に広くなる。発電ゴムのシートは厚さ数百マイクロメートルの薄いシートで、押したり曲げたりして変形すると、瞬間的に発電できる。ricoh無題

 

電気信号を無線で飛ばすことも可能とみられ、応用すれば、体の動きを検知する電源のいらない医療機器センサーや、構造物の変形を知らせる警報装置などが動作可能となるなど、様々な用途が期待される。

 

従来まで機器設備の圧力・振動センサーなどの電子部品として普及していた圧力による発電材料(圧電材料)は、セラミックスや高分子樹脂などが活用されてきた。セラミックスは、比較的多くの電力が取り出せるものの、壊れやすく重いなどの課題から活用範囲が限られていた。また、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子樹脂は、薄くすることによる柔軟性はあるが取り出せる電力は微量であった。

 

しかし、今回リコーが開発した「発電ゴム」は、柔軟性の高いフレキシブルなシート状でありながら、セラミックス圧電材料と同等の高い発電性能を有する新規材料。数百万回の繰り返し負荷試験でも性能劣化がないという高耐久性も備えているという。セラミックスや高分子樹脂の課題を解決し、高出力と柔軟性、高耐久性を兼ね備えることにより、その用途は格段に広くなるとみられる。

 

リコーは、発電ゴムの技術を、センサーを始めとするIoT技術などに応用することを目指す。また、他社技術との融合による新規ソリューションの展開も視野に入れ、この技術の実用化開発を進めている。将来的には、「発電ゴム」の材料の可能性をさらに拡張して将来の多岐にわたる応用展開を目指す、としている。

 

http://jp.ricoh.com/release/2015/0518_1.html?_ga=1.162115324.1523243982.1432223778