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原発交付金657億円余分 積み立て資金「立地進まず使わぬ」(東京新聞)

2011-10-06 13:40:05

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 全国で計画中の原発十四基の着工が重なり、地元自治体への立地交付金が不足するのを防ぐ名目で積み立てられた周辺地域整備資金について、会計検査院は五日、立地が計画通り進んでおらず使われる見込みはないとして、経済産業省に約六百五十七億円を減額できると指摘した。




 東京電力福島第一原発の事故で原発の立地は一層困難になっている。同資金は、電気料金に含まれる電源開発促進税が原資。検査院は「今後は東日本大震災からの復興や原発の安全対策のため、さらに多額の費用が必要になる」との認識を示し、進展の見通しがない立地計画に基づいた余分な資金をためないよう、制度の見直しを求めた。




 検査院によると、経産省は福島第一原発7、8号機など十四基の新設や増設を対象に、同資金の積み立て目標を約千九百六億円としている。しかし着工済みは東電東通原発1号機(青森県)など三基のみ。残る十一基は計画先延ばしが繰り返され、二〇〇九年度時点で東北電力浪江・小高原発(福島県)は当初の予定より三十七年、他の原発でも七~十六年、着工年が延びている。




 

検査院は「着工済みの三基に必要な約七十三億円あれば十分」と指摘。福島第一原発事故対策に計上した五百億円を考慮しても、一〇年度末の残高約千二百三十一億円のうち、約六百五十七億円が減額可能とした。経産省資源エネルギー庁は「必要な額を積み立てており、原子力政策をどうするかと合わせて検討する必要がある」としている。




 事故を受け、東電は福島第一原発7、8号機の増設計画中止を決定。十四基の新増設計画も、野田佳彦首相が「脱原発依存」を表明して以降、抜本的な見直しが始まっている。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011100602000027.html