大阪万博記念公園に 大規模複合施設とサッカースタジアムを結ぶスマートコミュニティ発足。太陽光発電+蓄電設備で災害に備え(RIEF)
2015-11-19 15:33:49
大阪の万博記念公園に開発される大規模複合施設「「EXPOCITY(エキスポシティ)」が19日オープンしたが、同施設と隣接するサッカースタジアムを合わせた太陽光発電と蓄電設備による「万博スマートコミュニティ」も同時発足した。
「万博スマートコミュニティ」は、三井不動産が大阪府吹田市の万博記念公園内に建設したEXPOCITYと、隣接する「市立吹田サッカースタジアム」を結びつけて運営する。サッカースタジアムはサッカーJリーグのガンバ大阪の本拠地として10月に完成し、4万人収容の能力を持つ。
ショッピングモールなどがあるEXPOCITYの施設に416枚の太陽光パネルを設置、最大100kWの発電能力を備える。蓄電池の容量は168kWhで、一般家庭の1日の電力使用量(10kWh)に換算して17世帯分に相当する。
両施設は共通の受電設備で、通常は関西電力から電力の供給を受ける。このため、普段は太陽光発電で発電した電力を直流のまま蓄電池に充電し、余剰分は各施設に供給して需要のピークカットに生かす。また、何らかの事故で停電が起きた場合、両施設に設置した非常用発電機が個別に稼働して電力を供給し続けることができる。
また、万一、大地震などの災害が発生し、被害が長期化した場合、サッカースタジアムは地域の避難所に指定されているため、同地に太陽光発電と蓄電池の電力を集約する。スタジアムは災害時の救援物資の集積拠点などにも使われることから、最低限の電力を太陽光発電と蓄電池で継続して供給する。
EXPOCITYは36万人の人口を抱える吹田市の北部に位置している。新大阪駅や大阪国際空港から10km圏内に入り、周辺には住宅地が広がる大阪のベッドタウンでもある。三井不動産は2020年の東京オリンピックに向けて全国で開発が進むスポーツ施設を対象に、地域の防災力を高めるモデルとしてEXPOCITYを位置づける考えだ。
同プロジェクトには、環境省の補助金による、一般社団法人低炭素社会創出促進協会の「自立・分散型低炭素エネルギー社会構築推進事業」として扱われている。
<EXPOCITYプロジェクト概要>
所在地 | 大阪府吹田市千里万博公園地内23-17一部他 |
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敷地面積 | 約172,000m2 |
構造規模 | 鉄骨造地上1~3階建(一部地下1~2階建) 立体駐車場 鉄骨造地上3階建(屋上駐車場)3棟 |
延床面積 | 約223,000m2 (約67,500坪) |
施設および店舗数 | 312 |
駐車台数 | 約4,100台 |
交通 | 大阪モノレール「万博記念公園駅」徒歩2分 |
スケジュール | 着工:2014年7月17日 開業:2015年11月19日 |
環境デザイン | フェルナンド・バスケス |
外構デザイン | 鳳コンサルタント株式会社 環境デザイン研究所 |
設計・施工 | 竹中工務店・竹中土木共同企業体 |
運営・管理 | 三井不動産商業マネジメント株式会社 |
<太陽光発電設備および蓄電池の概要>
太陽光発電総発電容量 | 106.08kW |
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太陽光パネル枚数 | 416枚 |
蓄電池容量 | 168kWh |
蓄電池種別 | 鉛蓄電池 |
出力 | 約100kW |
http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2015/1116/index.html