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大飯原発のストレステスト結果提出を受け、 グリーンピース、事故予測の「SPEEDI」情報公開を請求(Greenpeace)

2011-10-31 13:47:45



国際環境NGOグリーンピースは10月28日、文部科学省に対して、関西電力の大飯原子力発電所が万が一事故を起こした際の周辺地域への被害予測が行われているかを問うため、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI:スピーディ)(注1)による放射性物質の拡散予測の存在を確認する情報公開請求を行いました(注2)。

関西電力は、定期検査中の大飯原子力発電所3号機(福井県大飯郡おおい町)の再稼働に向け、ストレステスト(耐性評価)の一次評価結果を本日にも経済産業省に提出します。政府は、このストレステストの結果にもとづいて原発の再稼働の是非を決める方針です。

グリーンピース・ジャパン気候変動・エネルギー担当の高田久代は、「大飯原発の再稼働の議論には技術的なストレステストの結果だけでは、まったく不十分です。万が一、事故が起きた際に周辺住民への影響がどの程度なのか、そのリスクを誠実にわかりやすく住民に説明し、被害を受ける可能性のある住民がそのリスクを負いながら再稼働を認めるかが問われる仕組みが必要です」と訴えました。

さらに、「浜岡原子力発電所が事故を起こしたと仮定して平成22年度に行われた原子力総合防災訓練ではSPEEDIによる予測評価が行われており、既存原発における事故を仮定したシミュレーションが技術的に可能なことは証明されています。福島原発事故によって放射性物質が250キロメートル以上も離れた地域まで飛散していることがわかっている今、大飯原発から約100キロの大阪、約120キロの名古屋、約60キロの京都などへの影響をSPEEDIで視覚的に示し住民にそのリスクを説明するのは当然です」と述べました。
情報公開請求への文科省からの回答は、原則的に1カ月以内に得られることになっています。グリーンピースは大飯原子力発電所の事故予測の情報公開だけではなく、日本全国の原子力発電所における事故予測の存在について調べるために今後も継続して情報公開をおこなっていきます。また、事故予測が存在しない場合には、実施・公開を求めていきます。

注1) 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI:スピーディ)は、原子力発電所などから大量の放射性物質が放出されたり、そのおそれがある緊急事態に、周辺環境における放射性物質の大気中濃度および被ばく線量など環境への影響を、放出源情報、気象条件および地形データを基に迅速に予測するシステム。
注2)情報公開請求書



お問い合わせ:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/pr20111028/