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都知事提唱 官民連携ファンド 電力の地産地消後押し(東京)

2011-11-09 16:52:09

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石原慎太郎東京都知事が八日の九都県市首脳会議で提唱した官民連携インフラファンドの創設は、国内外の民間資金を呼び込むため、国や自治体が率先して出資することで投資リスクの不安を軽減する狙いがある。東京電力の発電能力が今後低下するとみられる中、ファンドは民間の新規参入や電力卸供給事業(IPP)を担うガス会社、鉄鋼メーカーによる発電設備の増強、更新を後押しする。 (浜口武司)

 東電の所有する柏崎刈羽原発は来年春までに稼働中の二基が定期検査で停止する。停止中の原発が再稼働しなければ、全十七基で千七百三十万キロワットの出力が失われる異常事態だ。

 さらに、東電が福島第一原発の代替として再稼働させている火力発電のうち運転期間が四十年を超える老朽火力は八百四十六万キロワット、三十五年超を含めると千五百万キロワットに上る。こうした火力の発電効率は低く、二酸化炭素(CO2)を大量に出す。地球温暖化の観点からも影響が大きい。

 都が九都県市首脳会議で提案したのは、三十五年超の火力のうち千万キロワットが東京湾岸に集中しているからだ。こうした火力が失われれば、東電以外の事業者が千万キロワットを供給する必要がある。政府の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」が十月にまとめた報告も、IPP事業者による火力入札を柔軟に利用することなどを指摘する。原発事故の巨額な賠償を抱える東電に代わる電力供給の事業者を育成するのは、都の考えとも一致する。

 都が湾岸部に設置を目指す最新のハイブリッド型天然ガス発電所の出力は百万キロワット級にすぎない。老朽火力による千万キロワットを補完しきれないため、インフラファンドで他県市を巻き込み、電力供給を確保する狙いだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011110990095948.html