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東電株主代表訴訟のカギは、小宮山宏元東大総長の判断力(FGW)

2011-11-14 21:30:59

福島第一原子力発電所事故で東京電力が巨額の損失を出したことに対して、同社の株主が株主代表訴訟の請求を行ったが、同請求の扱いをめぐり、東電監査役を務める小宮山宏元東大総長(三菱総合研究所理事長)らの判断が問われることになってきた。

株主代表訴訟は、株主が会社の監査役に対して訴訟の提起を要請し、それに対して監査役会が60日以内に応じない場合、直接の代表訴訟を起こす手順となっている。このため、まず同社の監査役会の判断が問われる。

東電の監査役は、3人の常勤監査役(同社役員)と、4人の社外監査役とで構成される。東電出身の監査役が株主代表訴訟の請求に応じることはないので、社外監査役がどう対応するか。4人の社外監査役は、小宮山氏のほか、資生堂顧問の大矢和子氏、元外務官僚の林貞行氏、部五市の高津幸一氏。4氏とも、「3.11」の事故前から監査役を務めており、この6月の株主総会でも再任されているため、そろって請求を拒否するとの見方が強い。

ただ、小宮山氏は、再生可能エネルギー推進など環境問題にかかわっていることもあり、また大矢氏は企業の社会的責任CSR)の視点の持ち主だけに、今回の事故と東電の経営責任についてそれぞれの見解を公式に出せるかどうかが注目される。

東電の2010年度有価証券報告書 http://www.tepco.co.jp/ir/tool/yuho/pdf/201106-j.pdf