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雑誌「オルタナ」が、激戦の「世界最悪企業2012」を 変に(?)勝手修正 (FGW)

2012-01-16 13:02:01

環境とCSR関連の記事を扱う「オルタナ」という雑誌が、現在、国際的に行われている「世界最悪企業Worst Company of the Year 2012」のオンライン投票の活動を紹介してくれた。だが、なぜか、「世界最悪企業」のタイトルを、「最も無責任な企業」に修正したとしている。 改めて説明しておこう。「世界最悪企業」投票の正式な名前は、Public eye Awardという。Berne Declaration とGreenpeace(スイス)の両NGOが毎年実施している。審査員が選ぶGlobal Award と、オンライン投票で選ぶPeople’s awardとに分かれている。現在、投票されているのは後者のPeople’s Awardである。 Worst Company of the Year という英語表記は、この賞をわかりやすく説明する副題のようなもので、賞の公募段階から使われている。欧米のNGOの間でも、Worst Company 賞という言い方が一般的である。FGWがPublic eye事務局のバナーを元にトップページに掲載している 投票サイトにも、明確に、Vote for the Worst company of the yearとなっている。 http://financegreenwatch.org/jp/ Bern Declarationはさらに「most evil company」と表現しており、Greenpeace は「Wahle jetzt das ubelste Unternehmen des Jahres(英語:Vote for the worst company of the year)」としている。Berneの表現ならば「世界最邪悪企業」となる。1月5日のpress release では、賞の対象は「もっとも侮辱すべき最悪ケース(the worst cases of contempt for the environment and human rights) 」とされている。 「最も無責任」という表現と、「世界最悪」という表現のどちらがこの賞の本質を表しているかということである。オルタナは当初は「世界最悪企業」の表現を使っていたが、「英文ホームページの記述を忠実に反映した結果」変更するとしている。英文の記述は上記の通りである。 オルタナの記事 http://www.alterna.co.jp/8043 オルタナの「タイトル修正」に疑念を持つのは、現在流れている同社の紹介記事では削除されているが、当初の記事中に、こういう賞の候補にされて「何も知らない(東電)社員はどう思うか」といった表現が盛り込まれていた点があったためである。賞の影響度を貶めるか、東電への配慮か。あるいは東電からクレームがついたのか。その辺はわからない。 「何も知らないで、放射線汚染を受け続けている福島の住民をはじめ、何も知らされないで食品への放射能汚染の不安を懸念する多くの消費者」についての、表記はオルタナの当初記事にはなかったように思う。オルタナの続報を聞きたいものだ。 ちなみに、オルタナは同賞の結果は、「ダボスの世界経済フォーラムの中で発表される」と書いている。これだと同フォーラムがこの賞を発表するように読めるが、賞はWEFを批判する活動をしているNGOが発表するもので、WEFにとっては迷惑な賞なのである。WEFと同じ期間に同じダボスの会場で発表するが、WEFのイベントではない。 オルタナさん、WEFからもクレームがつきますよ。(FGW)