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石巻中心部の仮設商店街、客足遠のく 震災、空洞化に拍車(河北新報)

2012-02-28 12:01:16

客足が伸び悩む石巻立町復興ふれあい商店街。イベントなどを通じ、客を集める計画だ
昨年12月オープンした宮城県石巻市中心部の仮設商店街「石巻立町復興ふれあい商店街」の客足が伸び悩んでいる。前から問題となっていた中心商店街の空洞化が東日本大震災で一層進んだ上、PR不足や目立たない立地条件などが理由とみられる。商店街はイベントを積極的に計画し、客を呼び込みたい考えだ。

 石巻市八幡町の店舗兼自宅が津波で全壊し、約20平方メートルの仮設店舗で青果店「いそざき青果」を営む磯崎洋一さん(62)。売り場面積と同じく、売り上げは震災前の3分の1に縮小した。「お客さんは仮設住宅に入り、散り散りになった」と嘆く。
 仮設商店街は延べ床面積670平方メートルの平屋プレハブ。被災した中心商店街の活性化策として、石巻商工会議所と市が立町2丁目の民間駐車場に設置した。津波被害を受けた弁当店や電気店など21店舗が入居している。
 開設から3カ月近くたつが、昼間でも人通りはまばら。全店平均の売り上げは震災前の約半分という。店主は「入り口にある駐車場の看板が商店街の視界を遮る」と不満を募らせるが、「地権者の意向で撤去は難しい」(商議所)という。
 厳しい現実の背景には、中心商店街の空洞化がある。10年ほど前から閉店が目立ち、震災を契機に、シャッターを閉じたままの店が増えた。立町や中央などの中心市街地では震災後、約100人以上の人口が減ったとみられる。
 中心市街地の再生について、市は復興計画で重点プロジェクトと位置付け、民間主導の再生を目指す協議会も発足した。しかし、特効薬と呼べるものはなく、商議所は「企業努力を」と呼び掛ける。

 仮設商店街の入居店でつくる店舗会は今月17日の定例会で、ミニコンサートなどのイベントや、1カ月に1度の折り込みチラシの実施を決めた。
 店舗会会長でスポーツ用品店「ウメシンスポーツ」の梅雅弘社長(57)は「集客に努め、店ごとの魅力づくりにも励みたい」と話した。

 

客足が伸び悩む石巻立町復興ふれあい商店街。イベントなどを通じ、客を集める計画だ


http://www.kahoku.co.jp/news/2012/02/20120228t12021.htm