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「霞ケ浦にセシウム流入蓄積」アサザ基金が調査報告(茨城新聞)

2012-04-02 18:38:36

霞ケ浦流入河川の放射能汚染の実態について報告するNPO法人アサザ基金の飯島博代表理事=土浦市沖宿町
福島第1原発事故に伴う放射能汚染で、霞ケ浦の流入河川の泥の放射性セシウム濃度を独自に調べたNPO法人アサザ基金は1日、土浦市沖宿町の霞ケ浦環境センターで開かれた市民シンポジウムで、調査した34河川42地点の分析結果を報告した。環境省の調査データと今回のデータを時系列で示し、泥の微粒子と共に川に流れ込んだ放射性セシウムが徐々に湖に移動し蓄積しているとみられる状況を明らかにした。

霞ケ浦流入河川の放射能汚染の実態について報告するNPO法人アサザ基金の飯島博代表理事=土浦市沖宿町


シンポは、同基金や常総生協、霞ケ浦の再生を考える会などの市民団体が協力して開催。市民約100人が参加した。

同基金の飯島博代表理事(55)は行政側の調査地点数が少なく、上流部に偏っている点などを指摘。「(霞ケ浦に注ぐ)56本の流入河川はそれぞれ個性がある」として、河口付近での個別調査の必要性を訴えた。また、泥水の滞留しやすい水域とみられている霞ケ浦の取水・給水口付近での、今後の放射性物質濃度の高まりに注意を促した。

飯島代表理事は今後、土浦市や霞ケ浦市、阿見町の河川を重点的に調査するとし「土砂が大量に流入する梅雨・台風の多雨期までに、具体的対応をとらせるよう、国に働き掛けていく」と話した。

参加したつくば市の主婦、加藤京子さん(62)は「農業、漁業者の生活がこれからどうなってしまうのか。放射性物質の分布を知るのは怖いくらい。県や国はもっと積極的に動いてほしい」と感想を話した。