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「仮の町」構想 新制度を 「候補地」いわき市長が復興相に要望  (福島民報)

2012-04-10 11:38:05

】「仮の町」構想などで平野復興相に要望書を渡す渡辺市長(左)
東京電力福島第一原発事故の影響で役場機能を移転した町が帰還するまでの拠点となる「仮の町」構想で、受け入れ先として浮上しているいわき市の渡辺敬夫市長は9日、市役所で平野達男復興相と初めて会談した。渡辺市長は仮の町構想の情報がないことに不快感を示し、被災した市の将来の都市計画を作るためにも国に対し地方自治の新たなルールの構築や、各町が古里に帰還するまでの工程表を示すよう要望した。平野氏は各町側が工程表を作成できるよう情報提供する考えを明らかにした。

】「仮の町」構想などで平野復興相に要望書を渡す渡辺市長(左)




 渡辺市長は会談で「これまで一度も、双葉郡の首長、国や県から『仮の町』の話は聞いていない」と構想が一人歩きしている現状を指摘。各町の帰還に向けた仮の町の設置期間などの工程表が示されなければ、一つの市の中に別の町が存在するという特殊な状態が続き、復興に向けた市の都市計画を立てることができないことを強調した。一方で「双葉郡とは歴史的、文化的つながりがある」として、仮の町構想そのものには協力する考えを示した。
 渡辺市長から要望を受けた平野氏は地方自治の新たな制度構築について「当然、大きなテーマになってくる」と共通の認識を示した。要望書では仮の町の制度設計に当たって同市の参画を求めた。市の幹部によると平野氏からは前向きな回答があったという。
 平野氏は会談後、「国が双葉郡の自治体に帰還を判断する材料を提供できていない」とし、放射線量がいつまでに、どの程度まで下げられるかや、賠償の指針などについて、早急に情報提供する考えを示した。長期的避難を余儀なくされている避難者の意向調査も実施するとした。
 いわき市内には双葉郡の住民約2万3千人が仮設住宅や民間借り上げ住宅に住んでいる。

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