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チェルノブイリ事故から26日で26周年。いまだ不安定な事故対策続く(USA Today)

2012-04-26 22:00:56

犠牲者の遺影にローソクを捧げる遺族たち
犠牲者の遺影にローソクを捧げる遺族たち


4月26日はウクライナのチェルノブイリ原発事故から26年目の記念日。ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ首相は、議会での記念式典に出席し、現在、建設中の新しい鋼鉄製の”石棺”を2015年までに建設するとともに、「事故によって200万人の市民や事故対策に従事した労働者等が傷ついた。彼らを回復させ、地元に戻れるようにするのが政治家の責務である」と強調した。

事故後に、原発を覆う形で急きょ作られた石棺は、救護しらだったこともあり、その後コンクリートがひび割れ、水漏れが起きるなど、二次災害が懸念されている。そこで国際的な協力も得て、全体を2万トンの鋼鉄製のカバーで覆う計画が進められている。全体を安全に覆った後、内部で溶けて固まっている核燃料の搬出作業に取り掛かる予定。

 

事故当時の旧ソ連は、当初、事故を秘密にし、そのため多くの住民が放射能を被ばくしたほか、放射能汚染は北半球全体に広がった。ヤヌコビッチ首相は、「チェルノブイリ事故はいまも苦しみを喚起している。現在も忘れることのできない出来事だ」と強調した。

しかし、議会の外では、損害賠償を求める住民や、事故対策に従事して被ばくした労働者たちが年金増額を求めるデモが繰り広げられるなど、十分な対策がとられているようにはみられていない。新しい格納設備に出資した欧州復興開発銀行の原子力安全部局長のビンス・ノバク氏は、「チェルノブイリ事故対策を推進することは、一刻の猶予も許されない」と事故対策がいまだ十分に行き渡っていないことを強調した。

http://www.usatoday.com/news/world/story/2012-04-26/ukraine-chernobyl-anniversary/54546234/1

(日本の福島の事故原発も、5年や10年で制御できると考えるのは、安易すぎる。しかも事故原子炉が1基だったチェルノブイリよりも、福島は4基もあることを忘れてはならない。事故沈静化自体、定かではない中で、事故対策を先送りして、操業再開を画策する野田政権と、電力業界、経団連などは、世界中から奇異の目でみられている。日本の支配層は、失敗を隠す旧ソ連の首脳部とそっくりだ、と。(FGW))