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大飯原発 地元で住民説明会(NHKニュース)70%以上が「不安」と答える

2012-04-27 06:31:22

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関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、地元の福井県のおおい町で26日午後7時半から住民説明会が開かれています。 おおい町は、「運転を再開するには町民の理解が大切だ」と主張していて、説明会で、町民からどのような意見が出るのか、注目されています。


大飯原発3号機と4号機の運転再開を巡り、枝野経済産業大臣は今月14日、福井県とおおい町に運転再開への理解を求めていて、おおい町では、26日午後7時半から、町民およそ550人が参加した住民説明会が開かれています。 説明会では、柳澤経済産業副大臣が、大飯原発の安全性や運転再開の必要性を説明したうえで、町民からの質問や意見に答えることになっています。 おおい町の時岡忍町長は「運転を再開するには町民の理解が大切だ」と主張し、説明会での意見を踏まえて再開を判断するとしている一方で、「住民説明会はきょう1度だけで十分だ」という考えも示しています。 これに対し町民からは、経済的な理由から再開を望む声があるものの、安全性に不安を訴える意見も多く、NHKが今月中旬に行った世論調査では、「原発が運転を再開した場合重大な事故が起きる危険性」について、おおい町の人に聞いたところ、「不安だ」とする答えが71%に上っています。 また、町民の間では運転再開を巡る政府の対応に不信感が高まっていて、説明会で、町民からどのような意見が出るのか、注目されています。




大飯原発を巡るこれまでの動き


大飯原発を含む全国の原発では、東京電力福島第一原発の事故のあとの去年3月下旬に、国の原子力安全・保安院の指示を受けて、大津波に備えた緊急の安全対策が実施され、電源車やポンプ車の配備などが進められました。 その後、去年7月、政府は、国民の不安を解消して運転再開につなげようと、新たな安全評価「ストレステスト」を導入し、このうち地震や津波などにどれほど耐えられるかを調べる「1次評価」を、原発の運転再開の判断の前提としました。 関西電力は、大飯原発の3号機と4号機のストレステストの結果を、去年10月と11月に保安院に提出しました。 保安院は、ストレステストの結果を審議し、2月、「福島第一原発を襲ったような地震や津波が来ても事故が起きない対策が取られている」と評価しました。 また、原子力安全委員会は、先月、ストレステストの結果について一定の評価をするとした見解をまとめ、国による技術的な確認は終わりました。 これに対して、大飯原発の地元、福井県などが「ストレステストの1次評価だけでは不十分で、国が、原発事故から得られた安全基準を示すことが必要だ」とする姿勢を一貫して示してきました。 こうしたなかで、野田政権は、今月3日から、大飯原発を巡る関係閣僚会議を開き、運転再開の前提となる新たな安全基準を決めるとともに、大飯原発の安全性を確認し運転再開の必要性があると判断したと発表しました。 しかし、関西電力の安全対策の計画を提出を受けたその日のうちに適合していると判断するなどの対応もあり、原発の立地自治体や専門家などから「再開ありきだ」という批判の声が上がりました。 枝野経済産業大臣は今月14日、福井県を訪れ、西川知事やおおい町の時岡忍町長らと相次いで会談し、大飯原発の運転再開に理解を求めました。 枝野大臣が住民に直接説明する方針を示したのに対し、時岡町長は運転再開については住民の理解が大切だという考えを改めて強調しました。 一方で、大飯原発を巡っては、滋賀県の嘉田知事と京都府の山田知事が7つの提言を発表したほか、大阪市の橋下市長らが8項目の提案を政府に申し入れるなど、原発がある立地自治体以外の周辺自治体なども、強く主張を続けています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120426/k10014748241000.html