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人気キャラクター「ムーミン」、DHCとのコラボ商品、急遽解消。DHC会長の差別発言で批判殺到。では、ディズニーやスヌーピーとのコラボ商品はどうなの?(RIEF)

2021-08-27 01:22:44

Momin001キャプチャ

 

 フィンランドの人気キャラクター「ムーミン」が慌てた。化粧品のDHCがムーミンとコラボした商品を23日に発売したが、DHC会長が在日コリアンへの差別表現を続けていた問題をネットで指摘され、急遽、ムーミンの著作権を管理する会社が翌日24日にのコラボ中止を宣言した。ただ、DHCはすでにディズニーやスヌーピー等とのコラボ商品も販売している。ミッキーらの気持ちも聞いてみたい。

 

 騒動の発端は23日。ムーミンの著作権を管理するフィンランドのムーミン・キャラクターズ社が運営する日本の公式サイトやTwitterアカウント等で、DHCとのコラボで、ムーミンやリトルミイらがデザインされたリップクリームとハンドクリームの発売を発表した。

 

 その日のうちにTwitter等では、コラボ先のDHCの吉田嘉明会長が同社の公式オンラインショップのサイトに、在日コリアンへの差別的な文章を昨年11月から掲載していた問題を指摘するコメントが殺到、ムーミンのコラボに疑問が示された。

 

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 吉田会長の文章は、今年6月1日までに削除されたが、削除理由や、半年間にわたって差別的な文章を掲載した理由等の説明は明らかにしていない。こうした経緯から、ムーミン・キャラクターズ社は24日になってDHCとのコラボ解消を宣言するとともに、日本のファン向けに「お詫び」を掲載した。

 

 「お詫び」は次のような内容だ。https://www.moomin.co.jp/news/other/95191

 

「この度、当社がライセンス管理をする一部製品に関しまして、皆様へ不快な思いをさせてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます」

「本国フィンランドのムーミンキャラクターズ社は、“いかなる差別も、助長ないし許容するものではない”との強い見解を持っており、当社も同一認識を持っております。これは、お互いを認め合い、共存することを尊重していた原作者トーベ・ヤンソンの思想が包摂されています」

「今後は、ライセンス許諾時点において、反社会勢力に対する確認に加えて、人権関連についても厳しく審査をし、仮に認識がなく契約された場合においても、それらが判明した時点において、速やかに契約更新停止や生産終了等の働きかけをしていきます」

 

 同社は、日本でのDHCの会長発言の問題を知らなかったようだ。キャラクタービジネスの観点からは、提携先企業の抱える課題に気付かなかった同社にも非があると指摘もできる。だが、日本市場の問題も無視できない。

 

 日本でも、Twitter上で「#差別企業DHCの商品は買いません」とのハッシュタグを使った不買運動が展開されたり、DHCの取引先であるコンビニ各社に製品取り扱いの中止を求めるオンライン署名運動も起きた。DHCと包括連携協定を解消した自治体もある。しかし、全般的には、「会長の発言と商品は別」との見方や、「カワイイ」商品なら買うという購買層の問題からか、同社製品の利用が目に見えて減っているようでもない。

 

 欧米社会では経営者がこうした問題を引き起こすと、株主が強く反発し、取引先も懸念を示す。当該商品への消費者団体や人権団体のボイコット運動等も、そうした株主等の動きと連動する形で展開される。ステークホルダーの圧力が高まるわけだ。

 

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 DHCは非上場なので株主に代えて、取引先や、従業員等のステークホルダーの対応が重要になるが、そうした点が不十分とみられることから、「ムーミン」も、DHCが抱える事態の深刻さをつかめなかったのではないかとも推測できる。DHCは、今回のコラボ商品だけでなく、これまでもスヌーピーの日焼け止めクリームや、ミッキーマウスやミニーマウスのリップクリーム等のコラボ商品も販売している。ミッキーやスヌーピーも何か言いたいと思うけど。

https://www.dhc.co.jp/goods/catop01.jsp?sc_iid=main_catop01

https://www.moomin.co.jp/news/other/95191