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水質汚染監視の「魚型ロボット」試験、スペインで始まる(Reuters)

2012-05-24 09:35:18

reutersrobotfish
【ロンドン22日ロイター時事】欧州の研究チームが開発した水質汚染を監視する魚型ロボットの試験が22日、スペイン北部ヒホンの港で始まった。同チームは、このロボットを港湾当局、水道事業者や水族館のほか、水質の監視に興味を持つさまざまな人々に販売できるようになることを望んでいる。このロボットを使うと、汚染物質の検出にかかる時間が数週間からわずか数秒に縮まる。

同チームはまた、原油流出時の汚染除去、ダイバーの監視や海上捜索・救助活動など、派生的な活躍の可能性もあるだろうとしている。

このロボットの全長は1.5メートルで、現在の製造コストは2万ポンド(約250万円)。本物の魚のように泳ぐよう設計されており、船舶や海底のパイプラインから漏れる汚染物質を検出するセンサーが取り付けられている。自律して泳ぐことができ、他のロボットと連係して動くこともできる。取得したデータは最大で1キロメートル離れた沿岸の基地に送信できる。

同チームを率いた英コンサルタント会社BMTグループの科学者ルーク・スペラー氏は「化学物質のセンサーが取り付けられているため、現場で即時に分析ができる。サンプルを収集して沿岸の研究所に運ぶという現在の手法と違う点だ」と述べた。

ロボットは障害をよけ、互いにやりとりできるほか、自分の位置を把握し、充電が少なくなった際の充電基地への戻り方も分かっている。電池の寿命は8時間だ。

今週試験を終えた後、チームは商業化に向けて必要とされる修正について検討する。チームは商業化されれば、1台当たりのコストが下がると期待している。

この開発プロジェクトは、欧州連合(EU)も一部拠出し、英国のエセックス大学やストラスクライド大学、タレス・サファール(欧州最大の防衛エレクトロニクスグループである仏タレスの子会社)などの専門家が参加した。タレス・サファールは通信技術を担当した。

 

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012052300420