HOME |宮城県発注の震災復旧事業で談合か 測量業者が「星取表」(河北新報) |

宮城県発注の震災復旧事業で談合か 測量業者が「星取表」(河北新報)

2012-07-25 16:06:25

kahokusinpou20120724031jd
宮城県が2月に発注した東日本大震災の復旧事業の指名競争入札をめぐり、県北部の一部の測量会社が受注調整をしていた疑いがあることが24日、同業者の証言や内部資料で分かった。指名業者が一覧できる「星取表」と呼ばれる資料を作り、各社で事業を割り振っていたとされる。調整に加わっていない地元業者は「東日本大震災からの復旧で、不公正に利益を得るような行為は許されない」と訴えている。

 宮城県内の業界関係者によると、測量事業は震災復旧事業で急増しており、受注額が震災前の5倍以上に増えている業者もある。
 

受注調整があったとされるのは、震災で地盤が沈下したり、地形が変わったりした沿岸部の河川と海岸の正確な位置や海抜を測る事業。入札は2月下旬にあり、県内の測量会社20社が参加した。

 河北新報社が入手した「星取表」は縦に河川別の計17件の事業名、横には入札参加資格を満たす業者計21社の名前が記載されている。

 各業者は県の指名を受けると、仕切り役とされる業者に連絡。表には「1」と印が付き、事業別にどの業者が入札に参加するかが分かる。

 業界関係者によると、受注調整は入札日の数日前に県北部の飲食店で行われ、10社以上が出席。星取表が配られた後、仕切り役とされる業者が各業者の受注割り振りを提案。話し合いで事業ごとの落札業者を決めた。入札の結果は17件のうち、積算ミスなどがあった入札を除き、大半が打ち合わせ通りの結果になったという。

 震災以前から受注調整を拒否していた測量会社の役員は「多くの人が命を落とした震災を食い物にするやり方に憤りを感じる」と話す。会社には会合に出席するよう要請があったが、拒否した。会合後、入札参加業者2社の関係者から落札予定業者などの決定事項を伝えられ、談合に戻るよう説得されたという。

 仕切り役と指摘される会社の役員は「各社が集まって受注業者を決めるような行為はしていない。『星取表』は見たこともない」と否定している。

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/07/20120725t13015.htm