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パナソニック、人工光合成を植物並み高効率に (各紙)

2012-07-29 06:39:03

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各紙の報道によると、パナソニックは植物とほぼ同等の効率で人工的に光合成する技術を開発した。太陽電池に似たシステムを使い、太陽光と水と二酸化炭素(CO2)から有機物を生成。2015年には自動車の燃料としても使うエタノールの合成で実用化を目指す。研究成果は30日に米ロサンゼルスで開かれる国際会議で発表する。


 人工光合成は植物と同様に太陽光で水とCO2からエタノールなどの有機物をつくる技術。今回、太陽光と水、CO2を反応させるシステムにLED(発光ダイオード)などの半導体に使う窒化ガリウムと独自の金属触媒を採用した。




 光合成で生成する有機物の変換効率を従来技術の5倍に高めた。植物並みを達成したのは同社が世界初。今後は太陽光パネルに似た形状の触媒を使った人工光合成システムを試作し、実証実験を始める。15年度には人工光合成で生成したエタノールを燃料にした発電システムの実用化を目指し、並行して商業ベースに乗せるため部材の改良などコスト削減を進める。




 人工光合成はCO2削減と資源問題の両面から有効な技術で、日米などで国家的な研究プロジェクトを開始。10年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一・米パデュー大学特別教授も文部科学省のプロジェクトに参加している。




 太陽光エネルギーの活用法としては、太陽電池が実用化され普及段階を迎えているが、蓄えには電池が必要だ。エタノールなど燃料の形にできれば貯蔵や輸送がしやすくなる利点がある。