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東日本大震災で、富士山マグマに「宝永」より強い圧力 数年で噴火の可能性も  (各紙) 防災科研が分析

2012-09-06 15:33:04

山梨県側から望む富士山=7月29日
防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などの調査によって、昨年3月11日の東日本大震災

山梨県側から望む富士山=7月29日


と、その4日後に静岡県東部で起きた地震(マグニチュード(M)6・4)の影響で、静岡県にある富士山の山下のマグマだまりに、噴火の引き金になる可能性のあるほどの圧力が生じていたことがわかった。この圧力が実際の噴火につながるかどうかは、これまでの観測ではわかっていない。

 同チームの観測では、過去の富士山で起きた噴火のうち、最も最新の噴火である1707年の江戸時代の「宝永噴火」の場合に、噴火の直前に起きた宝永地震で富士山全体に生じた圧力よりも、今回の圧力のほうが強いとみられている。このため同チームは、「地震直後の影響は表面的にみられなくても、地震から数年たってから噴火する可能性もある」として、警戒を呼び掛けている。

 防災科学研究所等のチームは、富士山の直下にあるマグマだまりに外部からかかる力を推定し、マグマだまりへの影響を分析している。チームの計算によると、マグマだまりの中心が地下約15キロにあると仮定した場合、今回の2回の大きな地震によって、最大で計約1・6メガパスカル(約15・8気圧)の力がかかったとの結果を得た。これらの圧力は過去の事例を踏まえると、噴火を引き起こすに十分な強さを持っていると推定されている。