HOME12.その他 |アルコール:土壌中の病原性微生物を死滅 農環研など開発(毎日) |

アルコール:土壌中の病原性微生物を死滅 農環研など開発(毎日)

2012-09-08 13:19:58

NAIC120907_1
薄めたアルコール(エタノール)で土壌中の病原性微生物を死滅させる新技術を、農業環境技術研究所(茨城県つくば市)などが開発した。農薬を使わないため環境に優しいとしている。効果は実証済みで、家庭菜園でも活用できる。マニュアルを7日、ホームページで公表した。

 キュウリやトマトなどの栽培では、連作障害を防ぐため土壌消毒が欠かせないが、農薬を作付けごとにまく必要がある上、無害な微生物も減らしてしまう。

 農環研が開発した手法は、濃度1%のエタノール水溶液を農地にまき、農業用ポリエチレンシートで2週間覆う。この間に、エタノールを餌にする微生物が増え土壌中が無酸素状態になる。この過程で、土壌から溶け出した鉄やマンガンなどの金属イオンと、微生物が出す酢酸などの有機物が、根腐れ病などを起こす病原性微生物を死滅させるという。

 神奈川県農業技術センターがキュウリで試したところ、1度の散布で3回まで連作しても、同じ収穫が確保できた。農環研の小原裕三主任研究員は「病原性微生物だけを選んで減らせる」と話す。

すでに共同研究者の「日本アルコール産業」が製品化。課題は農薬に比べて高価(20リットルで約2900円)なことだが、大量購入することで、包装・運搬コストを抑えられるという。マニュアルは農環研のホームページ(http://www.niaes.affrc.go.jp)から入手できる。【安味伸一】

 

http://mainichi.jp/select/news/20120908k0000m040033000c.html