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三菱ケミカル、シェールガス向け生分解性樹脂を輸出へ (各紙) 米シェールガス革命で商機

2013-01-18 21:18:05

世界中でシェールガス探査が進む。残念ながら日本では採掘できないが、日本の環境技術を生かせる
世界中でシェールガス探査が進む。残念ながら日本では採掘できないが、日本の環境技術を生かせる
世界中でシェールガス探査が進む。残念ながら日本では採掘できないが、日本の環境技術を生かせる

三菱ケミカルホールディングスは北米で広がっているシェールガス採掘で、地下水汚染を防ぐための生分解性樹脂「GSプラ」を開発した。2015年度にも量産出荷に乗り出す。シェールガスは採掘時に多くの化学物質を使うことから、地下水汚染問題が論点となっている。三菱ケミカルの開発したGSプラは使用した化学物質を土中の微生物によって水と二酸化炭素に分解できることから、環境負荷を抑えられる。


またクレハも、同様の生分解性樹脂の量産に乗り出しいる。我が国はシェールガスは産出できないが、日本企業の環境技術によって、環境問題を防ぐとともに、“シェールガス革命”による収益機会を獲得できることにもなる。

三菱ケミカルなどが開発しているのが生分解性樹脂。シェールガスの採掘では、採掘に使用するさまざまな化学物質が地中に堆積して地下水に漏れ出すことや、使用した水の回収や処理・運搬コストがかさむ課題が指摘されている。しかし生分解性樹脂を使えば、水と二酸化炭素に分解できることから、環境に配慮するとともにコスト低減を進めようとしている。現在主なシェールガス事業では、バイオプラスチックのなかで最も量産が進むネイチャーワークスのポリ乳酸(PLA)を使用している。

ただ、この.PLAは100度C以上でないと分解が進みづらいという特徴がある。三菱ケミカルのGSプラなどは、より地熱の温度に近い40〜50度Cの中低温で分解する点も特徴だ。シェールガスは水圧で岩盤層に複数の亀裂を入れ、しみ出るガスの通り道を作る。三菱ケミカルがGSプラを供給する予定の米採掘会社は、岩盤層にできた亀裂の仮止めの栓材料としてGSプラの採用を検討している。 GSプラは三菱ケミカルHD傘下の三菱化学が03年に発売した。