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資生堂 4月から すべての動物実験廃止を宣言(FGW)

2013-03-01 10:59:26

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shiseidoimages資生堂は28日、4月以降に開発する化粧品と医薬部外品の原料について、すべての動物実験を廃止すると発表した。これまでも2011年3月に社内の動物実験を廃止していたが、さらに民間の試験機関に委託していた実験もやめる。動物実験代替法に基づく安全性保証体系を社内で確立したことで全面廃止に踏み切った。

 化粧品等での動物実験廃止については、EUが第7次化粧品指令(2003年)で、04年から化粧品の完成品を使った動物実験禁止を実施。09年には原料の動物実験と、動物実験をした商品や原料の輸入、販売も禁止した。それらの制度の猶予期間の期限も2013年3月で切れる状況。こうしたEU指令に対応しないと、EU市場で営業できない事態に陥る懸念もあった。

このため、同社は10年3月、安全性確保を前提に、動物愛護の観点から動物実験を廃止すると宣言。その後も、有識者や学術団体、動物愛護団体などと、対応策について円卓会議で議論してきた。日本でも産業用の実験で年間1000万匹以上の動物が犠牲になっているという。「人間はそんなに偉いのか」という動物たちの悲鳴と涙が、華やかな化粧品の背後に秘められているとすれば、いかに美しく仕上げても、魅力も失せてしまう。

今回の資生堂の全面廃止宣言は、これまで動物実験で実施してきた皮膚への吸収性や刺激性を調べる検査に、原料安全性データベースや人工皮膚を使った試験法を組み合わせた新たな安全性評価の仕組みを導入する見通しが立ったことも大きい。動物実験をしないでも人体への安全性を高い精度で評価できるようになったためだ。ただ、これまで実験で殺傷してきた何千万、何億という動物たちへの哀悼の意を表してほしい。

 

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