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石綿訴訟:最高裁、近鉄敗訴の2審差し戻し (毎日) 本来は国の責任をしっかり問うべき これが最高裁とは情けない

2013-07-12 21:42:49

最高裁の建物自体がアスベスト処理をしないまま。アスベストへの鈍感度を露わにした判決
大阪府内の鉄道高架下の貸店舗で文具店長をしていた男性が中皮腫にかかり、死亡したのは壁に吹き付けられたアスベスト(石綿)が原因だとして、遺族が建物所有者の近畿日本鉄道に約7300万円の賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は12日、約6000万円の支払いを命じた2審・大阪高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。2審の判断が見直される可能性が出てきた。最高裁の建物自体がアスベスト処理をしないまま。アスベストへの鈍感度を露わにした判決

 小法廷は「石綿健康被害についての見解や認識は時と共に変化している」と指摘。男性が1970年から同店で働いていたことを踏まえ「所有者が責任を負うかを判断するには、店舗がいつの時点から安全性を欠くと言えるようになったか確定させる必要があるのに、審理が尽くされていない」と述べた。

 判決によると、店舗の壁面の一部は毒性の強い青石綿がむき出しになり、電車の振動で粉じんが飛散しやすい状態だった。男性は2002年に中皮腫と診断され、04年に70歳で死亡した。1審・大阪地裁は09年8月、「建物に欠陥があった」として近鉄に約4900万円の支払いを命じ、10年3月の大阪高裁判決は賠償額を増額した。【和田武士】

 最高裁判決を受け、原告側の弁護団は「判断は残念だが、近鉄側の主張が認められたわけではない」と述べ、差し戻し審でも店舗には相当以前から危険性があったと主張する姿勢を示した。また、遺族も「裁判で被害について議論が尽くされることはマイナスではない。差し戻し決定にも臆することなく臨みたい」とのコメントを出した。

 一方、近鉄秘書広報部は「改めて当社の見解を審理いただきたい」としている。

 

http://mainichi.jp/select/news/20130713k0000m040052000c.html