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富士山:入山料の試行開始 任意で1人1000円 (毎日) 使途を明確にしてくださいね 

2013-07-25 12:48:38

.富士山の保全のための協力金を支払う登山者たち=山梨県富士吉田市の富士山6合目で2013年7月25日午前9時35分、西本勝撮影
.富士山の保全のための協力金を支払う登山者たち=山梨県富士吉田市の富士山6合目で2013年7月25日午前9時35分、西本勝撮影
.富士山の保全のための協力金を支払う登山者たち=山梨県富士吉田市の富士山6合目で2013年7月25日午前9時35分、西本勝撮影


世界文化遺産に登録された富士山で25日、山梨、静岡両県が来夏の本格導入を目指している入山料の試行が始まった。来月3日まで。両県の四つの登山道で山頂を目指す登山者を対象に任意で1人1000円を集め、下山者には入山料への賛否などを問うアンケートも行う。

 名称は「富士山保全協力金」で、午前9時〜午後6時(山梨側の吉田口登山道では26日のみ午後1時から)に実施。集めたお金は寄付金として管理し、来年度以降、富士山の環境保全や登山者の安全対策に使う。

 吉田口登山道では、6合目の安全指導センター付近に県職員らが協力金を入れる箱を二つ置き、趣旨を説明する立て看板を設置。払った人には葛飾北斎の富士山の絵「凱風快晴(がいふうかいせい)」をあしらった記念の缶バッジを渡した。

 開始30分で約20人が通り、ほとんどの人が足を止めて支払った。ただ立て看板は日本語表記のみで、外国人登山者は内容が分からず素通りする光景も見られた。名古屋市から夫婦で訪れ、計2000円を支払った山田三枝子さん(65)は「入山料には賛成。私は1万円でも払う。日本一の山だから大切にしたい。世界遺産登録が取り消されることがないよう、トイレなど環境保全にしっかり使ってほしい」と話した。

 静岡県の富士宮口5合目では、「あなたのお気持ちを富士山へ!」の立て看板を掲げ、登山者の7割ほどが入山料を支払い、ツアー客の素通りが目立った。

 和歌山県紀の川市から4人で来た無職、政本英嗣さん(63)は「払おうか悩んでいたが、ここに来たら『富士山を大事にしなければ』という気持ちになった。バッジ(横山大観の「群青富士」)ももらえるし1人1000円なら払える」と話した。一方、応じなかった京都市の20代の女性会社員は「義務なら仕方ないけど、面倒だしわざわざ払う気はしない」と足早に通り過ぎた。【片平知宏、山口香織、平塚雄太】

 

http://mainichi.jp/feature/news/20130725k0000e040214000c.html