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東京電力 原発近辺の海のセシウム濃度を2年近く低めに公表。 これが首相のいう「コントロール」なのか(?)(各紙)

2013-09-16 15:58:23

fukushimaport
 

福島原発の汚染された港湾。海水は外洋と日々、入れ替わる
福島原発の汚染された港湾。海水は外洋と日々、入れ替わる


各紙の報道によると、東京電力は福島第一原子力発電所の近くの海の放射性セシウム濃度を、2年近くにわたり「誤った方法」で測定し、実際より数ベクレル、低く公表していたことが分かった。

東電福島原発の放射能汚染水の海洋流出が国際的に注目されているが、これまで東電は、原発南側の放水口の近くの海で測定した、海水1リットルに含まれる放射性セシウム137の濃度について、1~10ベクレル程度として報道陣に公表してきた。

しかし、原子力規制庁の職員に、測定方法についての指摘を受け、規定の測定方法で測定し直した結果、公表値より、平均して1リットル当たり数ベクレル程度高く出ることがわかった。東電は意図的に測定法を変えたわけではないと説明しているが、原子力規制委員会の専門家チームからは、「初歩的なミス」「測定を東電任せにせず、規制委自体が実施すべきだ」などの指摘が出ている。

事故を起こした当事者の東電だけが、事故後の放射能漏えい等を測定して、だれもチェックできない状態で公表している現在の体制こそが、国民の不信感を生み出していることに、ようやく原子力規制委も気づいた形だ。東電は、規制庁職員の指摘を受けてから6月以降は改善した測定法で公表しているというが、そのチェックも十分に行われていない。

安倍首相は、国際オリンピック委員会の総会で、「(福島の)状況は、統御されています」「汚染水の影響は完全にブロックされています」と発言、オリンピックの東京誘致に成功した。しかし、港湾に流出した汚染水が海洋にブロックされておらず、さらに「統御」を証明する放射能数値が実は誤った測定法で低く公表していたことが露呈したことで、安倍発言の”虚構性”は明白になった。