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都議選「千代田区特例 廃止を」 元最高裁判事提訴、初弁論(東京)

2013-10-02 17:17:32

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togisenn2013100299142744一票の価値が不平等だった六月の東京都議選は違法、違憲として、元最高裁判事の泉徳治弁護士が東京都選挙管理委員会に対し、居住地の練馬区選挙区の選挙無効を求める訴えを起こし、第一回口頭弁論が二日、東京高裁(大竹たかし裁判長)で開かれた。 

 都選管は「都議会の裁量権の範囲内」と棄却を求めた。次回弁論は十一月十一日で結審の見通し。

 都議選は都条例に基づき、定数一二七を四十二選挙区に配分している。六月の都議選では、議員一人当たりの人口が最少の千代田区選挙区と、最多の北多摩第三選挙区(調布市、狛江市)との格差は三・二〇八倍だった(島部選挙区は除く)。

 訴えでは、人口の多い選挙区が人口の少ない選挙区より議席数が少ない「逆転現象」が十二通りあると指摘。人口比例に基づけば、新宿区など七選挙区で定数を一ずつ減らし、練馬区など五選挙区で各一増、江戸川区選挙区では二増の「七増七減」の改正が必要だと訴えている。

 二〇一〇年の国勢調査を基に算出した都議一人当たりの人口は十万三千六百十七人。この半数に達しない千代田区を一選挙区とする「特例選挙区」の都条例の規定は、人口比例選挙を定めた公職選挙法と法の下の平等を保障した憲法一四条などに反すると主張している。

 最高裁は一九八一年(最大格差七・四五倍)、八五年(三・四〇倍)、八九年(三・〇九倍)の都議選をいずれも違法としたが、混乱回避などを理由に選挙は有効と判断した。

◆議員1人当たり人口半数切る

 提訴した泉弁護士は最高裁判事当時に、衆院選と参院選の格差を合憲とした三度の判決で、いずれも反対意見を書いた。「投票価値の平等の実現を東京から始め、全国へと及ぼしていくべきだ」と訴えている。

 公選法では、議員一人当たりの人口の半数に達しない郡区市は、隣接郡区市と合わせ一選挙区としなければならないとしているが、人口が少なくても一選挙区とする特例を条例で設けることができる。都内では、千代田区と島部が特例選挙区になっている。泉弁護士は、地理的に孤立していない千代田区選挙区に単独で定数一を与える「特別扱い」をやめるよう求めている。

 都選挙管理委員会は、千代田区の「首都機能の集中」を、特例選挙区とすることの理由に挙げている。だが泉弁護士は訴えで、国政選挙では逆に、都民の投票価値が地方の有権者より冷遇されている矛盾を指摘。都議会の定数是正は二〇〇一年以来、十二年間行われておらず、「国会も都議会も、首都機能を考慮しているわけではなく、選挙区や定数配分の改正を怠っているだけだ」と批判している。 (沢田敦)

 

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013100290142046.html