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房総沖海底が最大6センチ移動 プレート境界面での「スロースリップ」発生か 9日の連続地震の原因も(各紙)

2014-01-10 19:13:49

房総半島沖海底でスロースリップ
房総半島沖海底でスロースリップ
房総半島沖海底でスロースリップ


国土地理院(茨城県つくば市)は2日ごろから10日にかけ、房総半島沖で通常とは異なる地殻変動を観測したと発表した。海底が最大6センチ、南東方向に動いたとみられる。プレート(岩板)同士が揺れを起こさずゆっくりずれる「スロースリップ」が起きたとみている。

 9日には日本列島の北から南にかけて、4か所を震源地とする連続地震が起きている。

国土地理院は、今回のスロースリップが、今後の大きな地震につながるモノかどうかという点については「影響は不明」としながらも、同院の小沢慎三郎主任研究官は「注意深く監視する」と述べている。

 房総半島の沖合では、同半島が乗る形となっている北米プレートの下に、フィリピン海プレートという別の岩板が沈み込んでいる。通常、この地域の海底は北西方向に動いている。今回は、力を蓄積させた両プレートの境界面がすべって、反対方向へ動いたらしい。

 歴史的にみると、房総沖を震源地とする大規模地震はかなり多い。古くは、1590年3月21日(天正18年2月16日)に安房で起きた地震がある。2mの隆起が起き、潮が引いて3キロの干潟が形成されたという。江戸期の1655年5月2日(明暦2年4月8日)、1677年11月4日(延宝5年10月9日)にもそれぞれ起きている。後者の場合、大津波で死者569人を出したとされている。

1909年(明治42年)3月13日にM6.5、23時29分にM7.5の地震が連続発生、1953年(昭和28年)11月26日にもマグニチュード7.4の地震が起き、銚子付近で2~3mの津波を観測している。

2011年3月11日の東日本大震災では、震源から南北に地殻の破壊が進み、北アメリカプレートの下に沈み込んだフィリピン海プレートの北東端が地殻破壊の南下を食い止め、房総沖で止まったとされている。今回のスロースリップがこの時の影響かどうかは不明。

 

フィリピン海プレート(2006年5月14日)小笠原海溝やマリアナ海溝、南海トラフなどに囲まれた海洋のプレート(岩板)。首都圏直下では、海側から太平洋プレートとともに陸側のプレートの下に沈み込んでいる。関東地方の下にフィリピン海プレートが沈み込む場所には、1923年の関東大震災などの大地震を起こした震源断層が存在するとされている。

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