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日本で規制緩和が進むネオニコチノイド系農薬。米オレゴン州では規制へ(Greenpeace)

2014-01-22 12:34:03

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日本で使用が増え、残留基準値も緩和が進んでいるネオニコチノイド系農薬。アメリカのオレゴン州では昨年の暫定的な規制措置につづき、今年2014年から表示義務が始まりました。mitsubachiミツバ~1

菩提樹(ボダイジュ)などのシナノキ属の木の開花シーズンには、ネオニコチノイド系農薬は散布してはいけない、という表示をしなければ、オレゴン州内では今年から販売・配布できなくなりました。

★     始まりはミツバチの大量死

2013年の6月、オレゴン州内の4カ所で、マルハナバチの大量死が発生しました。調査したオレゴン州農業省は、ネオニコチノイド系農薬のジノテフランとイミダクロプリドが関与していると結論しました。

これらの農薬のラベルには、もともとハチに有害であるため開花シーズンに散布してはならない旨が書かれていました。しかし、これに違反して散布が行われたため、ハチの大量死をおこしたとして散布業者には罰金が科されました。

オレゴン州政府のとった対策

オレゴン州農業省はマルハナバチの大量死との関連が示唆されたジノテフランとイミダクロプリドを含む農薬製品に、ハチをはじめとする花粉媒介昆虫がさらされないようにする措置をとりました。

第1段階:2013年6月からジノテフランを含む18種類の農薬製品の使用を暫定的に規制。

第2段階:暫定規制の期限の切れる2013年末に、ジノテフランとイミダクロプリドを有効成分として含む農薬製品に次のようなラベル規制を導入しました。その内容は「2014年から、州内で販売・配布するために登録を行う際は、州独自の表示として、シナノキ属の樹木には散布してはらない」というものです。(シナノキ属の木がもつ天然の毒性に、ネオニコチノイド系農薬が加わると、ハチへの影響が大きく大量死が起きたとされるため)

★     さらなる対策の検討

オレゴン州農業省の高官は、これらの2種およびその他のネオニコチノイド系農薬の有効成分について、連邦レベルでの使用制限を検討する必要があるかどうか判断するために、さらなる評価を要請する文書をアメリカ環境保護局に送りました。

 

また、オレゴン州ではその後、花粉媒介生物の保護について農薬散布許可業者や一般市民に対する教育にいっそう力をいれるようになりました。さらに許可業者に対しては、試験や許可の更新の際に、花粉媒介昆虫の保護の重要性が強化され、一般市民向けには、ウェブサイトやパンフレット等を用意し、ガーデニングプログラムや小売店を通して提供しています。

日本ではまだ、ネオニコチノイド系農薬のハチへの影響について調査が始まったばかりです。今回のオレゴン州の規制をはじめ、ヨーロッパではネオニコチノイド系農薬の使用が禁止されています。

こうした世界の動きから日本は逆行し、農産物への残留基準も下げるどころか、大幅な引き上げが検討されています。

ぜひこちら↓のサイトから、残留基準を引き上げをしないよう求める署名にご参加ください。

 

署名はこちらからどうぞ


 

<オレゴン州のプレスリリース>

2013年12月19日 Bumblebee incidents result in pesticide violations

2013年11月21日 ODA takes steps to protect pollinators from pesticide impacts

 

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/47934/