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尼崎の石綿訴訟、二審もクボタに賠償命令 工場周辺住民の被害に賠償(各紙)

2014-03-06 18:38:04

kubota
kubota各紙の報道によると、兵庫県尼崎市の大手機械メーカー、クボタの旧神崎工場のアスベスト(石綿)被害を巡り、周辺住民2人の遺族が同社と国に計約7900万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(小島浩裁判長)は6日、一審・神戸地裁判決に続き、同社に約3200万円の賠償を命じた。しかし、国への請求は棄却した。

裁判は、クボタの工場周辺で生活し、アスベスト特有のがんの中皮腫で死亡した男性と女性の遺族が、アスベストの飛散防止対策を怠ったとして、国とクボタに賠償を求めていた。

2012年8月の一審判決は、クボタの工場が57年から75年まで最大年間7千トン使用した石綿について「粉じんの飛散を十分に防ぐことができず、敷地外に飛散していた」と認定。工場から約200メートル離れた別の会社で働き、工場から約600メートルの住宅で長年暮らしていた男性(96年死亡、当時80)について、が「工場から飛散した石綿粉じんに暴露し、中皮腫となった」とクボタの責任を認めた。ただ、工場から工場から1キロ余り離れた住宅に暮らしていた女性(07年死亡、当時85)の遺族の訴えと、国の責任については、1審では認めなかった。

今回の2審では、「昭和50年までのおよそ20年の間に工場から300メートルの範囲内で1年以上住んだ人は、中皮腫を発症する危険性が高い」と指摘して、男性についての「クボタ」の責任を認め、1審と同じ額のおよそ3200万円の支払いを命じた。しかし、一審で認められなかった女性については、2審でも再び認められなかった。

 

また焦点の国の責任についても1審同様、認めなかった。

 

判決についてクボタは「主張が認められず残念。判決の内容をよく見て、上告を含めて今後の対応を検討する」ととコメントした。また、環境省は「今後とも建築物の解体などにおけるアスベストの飛散防止対策や、健康被害者の救済などを進めていく」としている。