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水俣病認定基準:「水銀との因果関係証明を」運用で新指針 最高裁判決受け、1981年以来33年ぶり(毎日)

2014-03-07 14:39:06

水俣病認定の裁判に向かう被害者ら
 

水俣病認定の裁判に向かう被害者ら
水俣病認定の裁判に向かう被害者ら


水俣病患者の認定を巡り、環境省は7日、手足の感覚障害のみでも有機水銀摂取との因果関係を証明できれば、水俣病と認める新たな認定基準の運用指針を、熊本県や新潟県などの関係自治体に通知した。昨年4月の最高裁判決を受けた見直し。水俣病の認定基準を巡る新たな通知は1981年以来33年ぶり。

現行の認定基準は、複数の症状の組み合わせを求めているが、最高裁判決は、複数症状の組み合わせがなくても総合的検討によって水俣病と認定する余地があると判断。これを受け環境省は、認定基準そのものは変えず、運用に関する新たな指針を出すことを決めた。

通知は、汚染された魚介類を多食した時期などから申請者のばく露状況の確認を要求。その上で、頭髪やへその緒の水銀濃度、汚染地域での居住歴などを検討して、水銀ばく露と水俣病発症との因果関係を確かめるとしている。

通知は、国の委託を受け、各自治体の認定審査会が実施している認定業務のガイドラインとなる。ただし、被害者に対し、数十年前の水銀摂取を客観的に証明するよう求めており、救済枠の拡大にはつながらない可能性が高い。

このため、認定基準の見直しを主張している新潟県の泉田裕彦知事は県独自の審査を行うと表明。熊本県も審査業務の国への返上を求めている。環境省は「臨時水俣病認定審査会」を設置し、新通知に沿って熊本県の審査を代行する方針。【松田栄二郎、阿部周一】

http://mainichi.jp/select/news/20140307k0000e010205000c.html