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日立造船、ノルウェーのスタットオイル社と浮体式の洋上風力発電開発で「協業協定」延長 来年6月から実証機建設へ(FGW)

2014-04-10 13:15:32

洋上風力発電所(これは着床式)
洋上風力発電所(これは着床式)
洋上風力発電所(これは着床式)


日立造船は9日、ノルウェーの国営石油会社スタットオイル(SO)との間で、洋上風力発電の技術提携の「協業協定」を延長することで合意したと発表した。両社は2012年11月に契約を結んでおり、今回の協定延長によって、日本国内での事業化を目指す。

 

SO社は、世界有数の石油・天然ガス事業者で、海洋石油掘削事業を通じて開発した技術を元に、世界最初の浮体式風力発電プロジェクト「ハイウィンド」を、ノルウェーの南西部の北海沖に建設中で、すでに2009年に一基の洋上風車(23MW)を完成させている。同プロジェクトを元に、多くの実験データを集積しており、今回の協定延長により、これらの技術情報を活用して日本国内での事業採算性の調査を行う予定。

 

来年6月までに事業採算性の調査を行い、それらの成果を踏まえて、日本国内での実証設備の建設に着手する予定。外資が日本の洋上風力発電事業に参入するのはSO社が初となる。

日立造船は、これまでに浮体構築物の設計・施工で実績をあげている。2000年には世界初の旋回式浮体端「夢舞大橋」を完成させたほか、リアルタイムで津波などを観測できるGPS海洋ブイなども開発している。また洋上風力発電事業の計画でも、日本気象協会や他の企業とともに「地域振興型アクア・ウィンド事業化研究会」を立ち上げている。

来年にも建設される実証施設については、出力5千~6千kw程度を想定。事業規模は30億~50億円程度とみられる。早ければ2018年に稼働させる計画という。

 

洋上風力については、政府も促進する姿勢を打ち出している。再生エネルギー発電の固定価格買い取り制度(FIT)の改正で、14年度から洋上風力の区分を新設した。また買い取り価格(税抜き)も陸上風力の1kwh当たり22円に対して、洋上風力は同36円と優遇されている。

 

ただ、洋上風力が普及している欧州では水深20~30mの遠浅の海が多く、風車を海底に固定する「着床式」が主流。コストも比較的安い。日本には遠浅の海が少なくため、浮体式の開発がカギを握っている。

 

 

http://www.hitachizosen.co.jp/news/2014/04/001200.html

 

 

技術競争が進み建設費や発電コストが低下すれば、参入企業が増え風力発電の導入拡大につながりそうだ。