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大同特殊鋼 渋川工場からの基準超過の六価クロム等有害物質含有製品出荷問題で、非を認める。全役員の昨年度の賞与全額返済(FGW)

2014-08-05 17:42:42

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大同特殊鋼ロゴ鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)は、同社の渋川工場で製造した鉄鋼スラグ等を使った路盤材から国の基準を超える有害物質のフッ素や六価クロムが検出された問題で、事実関係を認め、使用した路盤材の撤去などの対策と、昨年度分の全役員23人の賞与を全額カットの処分を発表した。


 同社の発表によると、これまでに同工場から製造出荷した鉄鋼スラグ製品は、製造を中止する今年1月までに計76万トンにのぼる。同工場では、2009年6月以前の製品については、粒度や膨張率等の物性値の管理はしていたが、重金属の管理基準を定めていなかった。このため、今回、同県渋川市発覚した鉄鋼スラグによる重金属汚染が野放しの形で起きていた。

 

渋川市によると、1996年から2009年12月にかけて、大同特殊鋼の鉄鋼スラグを使った公共事業のうち、遊園地や保育所など市内11カ所で土壌汚染対策法が定める環境基準を上回る六価クロムやフッ素が検出されている。

 

土壌汚染対策法で六価クロムの環境基準は1リットル当たり0・05ミリグラムだが、市内の遊園地の駐車場で22倍の1・1ミリグラムを検出。保育所駐車場ではフッ素が基準(1リットル当たり0・8ミリグラム)の約8倍の6・6ミリグラムを検出した。保育所は砂利として鉄鋼スラグを使用。園児が触れられる状態だったが、昨年末に上から舗装したという。

 


また同社は、鉄鋼スラグを業者に再生資材として販売する際、運搬費などの名目で販売価格を上回る代金を払っていた、として群馬県から廃棄物処理法違反の疑いで立ち入り検査を受けていた。大同特殊鋼によると、09年7月以降、子会社を通じて、渋川市内の砕石会社に鉄鋼スラグを1トン100円で販売した際、加工処理費などとして販売管理費を1トン250円前後支払っていた。

 

この点については同社は、「当社に代わって清算・販売業務を行ってもらうことの対価として支払った。2012年7月以降は、当社で生産・出荷する体制に切り替えている」と説明、汚染隠しではないと、主張している。

 

同社は渋川工場での鉄鋼スラグ路盤材の生産・出荷は、2014年1月以降、停止しているが、鉄鋼スラグの再資源化は社会的な需要も大きいとして、社内の製品環境安全管理体制を確立下の地は、再出荷する考え。そのため、今年3月から6月かけて、対策促進本部が同工場だけでなく、社内の関連事業所等を調査、確認する作業を展開したという。

 

また役員の賞与返上とは別に、群馬県による同社に対する処分等が出た段階で、経営責任について改めて判断するとしている。

 

http://www.daido.co.jp/about/release/2014/0804_slag.html

 

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