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インドのニューデリー 「水のATM」が登場、太陽光発電で稼働 水不足解消の救世主となるか(CNN)
2014-08-24 18:53:55
ニューデリー(CNN) 水不足が慢性的な課題となっているインドの首都ニューデリーで、カードを使って水を引き出すことができる「水ATM」が次々に設置され、話題を集めている。水ATMは深刻化するインド水不足問題の解決策となり得るのだろうか。
ニューデリーの近郊では、45度の猛暑の中、人々がジェリ缶を抱えて行列を作り、政府の給水車の到着を待ちわびている。
給水が行われるのは週に1度だけで、そのたびに先を争う住民の間でもめ事が勃発、険悪な雰囲気になる。地域によっては水道管の敷設が進んでいないため、政府の給水トラックだけが人々の頼みの綱だ。
水不足が深刻化する中、各家庭に割り当てられる水はジェリ缶4本分のみ。このわずかな給水量で、飲み水、料理、入浴など、すべての用途を間に合わせなければならない。
インド政府のデータによると、きれいな水にアクセスできない人々はインド全土で1億5000万人に上るとされており、今夏の水問題にどう対処するかがモディ新政権にとって喫緊の課題となりそうだ。
こうした水問題を受けて、デリー市当局ではこのほど、市内に500台の「水ATM」を設置する計画を固めた。
水ATMは円筒形のコンクリート構造から成り、太陽光発電で動く。地下水を各地域の浄水プラントで処理、それをATMを通じて供給する仕組みだ。
利用者は、チャージ式のICカードを使って水を受け取る。いわばATMで現金の代わりに水を引き出す感覚だ。1セントにつき最大4リットルまで給水することができ、インドの物価を考慮に入れても非常に安い。
発案したのは社会的企業(ソーシャルエンタープライズ)のサルバジャル。サルバジャルは「すべての人に水を」という意味だ。2013年に試験的にプロジェクトを開始して以来、デリー北西部の貧困地区サブダゲブラに15台の水ATMを設置してきた。
当初は反応が少なかったものの、今では1000軒あまりの家庭がサービスを利用している。サブダゲブラの住民は以前、どうやって水を手に入れるか一日中気にかけて過ごしていた。
それが水ATMの登場で24時間いつでもきれいな水を確保できるようなり、水の心配をすることなく暮らせるようになったという。
さらに、サルバジャルのプロジェクトを統括するアミット・ミシュラ氏によると、水を介した感染症が減少する効果もあったという。
ただ、きれいな水にお金を払うことで結果的に医療費を節約できるという発想は、いまだ人々に十分に浸透しているとは言えない。目下の最大の課題は、水が無料だという人々の意識を変えることであり、同氏はそのために地域住民との対話を続けている。
水への意識を変えるには時間がかかるだろう。それでも、このシンプルにしてハイテクな水ATMは、慢性化するインド水不足問題の解決策となる可能性を秘めている。
http://www.cnn.co.jp/world/35050937.html
ニューデリーの近郊では、45度の猛暑の中、人々がジェリ缶を抱えて行列を作り、政府の給水車の到着を待ちわびている。
給水が行われるのは週に1度だけで、そのたびに先を争う住民の間でもめ事が勃発、険悪な雰囲気になる。地域によっては水道管の敷設が進んでいないため、政府の給水トラックだけが人々の頼みの綱だ。
水不足が深刻化する中、各家庭に割り当てられる水はジェリ缶4本分のみ。このわずかな給水量で、飲み水、料理、入浴など、すべての用途を間に合わせなければならない。
インド政府のデータによると、きれいな水にアクセスできない人々はインド全土で1億5000万人に上るとされており、今夏の水問題にどう対処するかがモディ新政権にとって喫緊の課題となりそうだ。
こうした水問題を受けて、デリー市当局ではこのほど、市内に500台の「水ATM」を設置する計画を固めた。
水ATMは円筒形のコンクリート構造から成り、太陽光発電で動く。地下水を各地域の浄水プラントで処理、それをATMを通じて供給する仕組みだ。
利用者は、チャージ式のICカードを使って水を受け取る。いわばATMで現金の代わりに水を引き出す感覚だ。1セントにつき最大4リットルまで給水することができ、インドの物価を考慮に入れても非常に安い。
発案したのは社会的企業(ソーシャルエンタープライズ)のサルバジャル。サルバジャルは「すべての人に水を」という意味だ。2013年に試験的にプロジェクトを開始して以来、デリー北西部の貧困地区サブダゲブラに15台の水ATMを設置してきた。
当初は反応が少なかったものの、今では1000軒あまりの家庭がサービスを利用している。サブダゲブラの住民は以前、どうやって水を手に入れるか一日中気にかけて過ごしていた。
それが水ATMの登場で24時間いつでもきれいな水を確保できるようなり、水の心配をすることなく暮らせるようになったという。
さらに、サルバジャルのプロジェクトを統括するアミット・ミシュラ氏によると、水を介した感染症が減少する効果もあったという。
ただ、きれいな水にお金を払うことで結果的に医療費を節約できるという発想は、いまだ人々に十分に浸透しているとは言えない。目下の最大の課題は、水が無料だという人々の意識を変えることであり、同氏はそのために地域住民との対話を続けている。
水への意識を変えるには時間がかかるだろう。それでも、このシンプルにしてハイテクな水ATMは、慢性化するインド水不足問題の解決策となる可能性を秘めている。
http://www.cnn.co.jp/world/35050937.html