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人気の深海生物ダイオウグソクムシの胃から ビニール等の人工物 海洋汚染の深刻さを物語る(共同)  

2014-08-29 00:05:52

鳥羽水族館が飼育するダイオウグソクムシ
鳥羽水族館で今年1月に死んだダイオウグソクムシの胃から見つかった化学繊維とみられる固まりや数本のゴム=11日、三重県鳥羽市
鳥羽水族館で今年1月に死んだダイオウグソクムシの胃から見つかった化学繊維とみられる固まりや数本のゴム=11日、三重県鳥羽市


5年間の絶食記録や独特の姿で人気が集まる深海生物ダイオウグソクムシの胃から、ビニールやゴムなどの人工物が見つかる例が国内の水族館で相次いでいることが28日、分かった。メキシコ湾などの生息地で深海に沈んだごみを誤って食べた可能性がある。

水族館の担当者は「人間が捨てたごみが、深海の生き物にまで影響を与えているという事実を知ってほしい」と海の環境保護を訴えている。

ダイオウグソクムシはメキシコ湾などの深海底に生息し、体長50センチ、体重1キロにもなるダンゴムシの仲間。海底に沈んだ死んだ魚などを食べる「海の掃除屋」とも呼ばれる。人工物は、鳥羽水族館(三重県)、葛西臨海水族園(東京都)、沼津港深海水族館(静岡県)が飼育していた計4匹から見つかった。


 鳥羽水族館によると、1月に死んだ個体を解剖した結果、未消化の魚肉とともにゴム数本と化学繊維とみられる固まりが見つかった。この個体は昨年7月ごろ、メキシコ湾の約800メートルの深海で捕まえたという。




 今年5月にも、今も生きている個体のふんから段ボールとみられる紙片が発見された。5年間何も食べなかったことで有名になり、2月に死んだ個体からは、人工物は見つからなかった。




 飼育担当の森滝丈也さんは、輸送中や水族館で混入する可能性は低いとしており、「深海で餌と一緒に食べたと思う。海はきれいなイメージがあるが、海底はごみで汚染されているのではないか」と話した。




 沼津港深海水族館では、7月に死んだ個体から長さ10センチ、幅5センチの透明ビニールと段ボールのような紙が見つかった。胃がガスで膨らんでおり、消化不良になったとも考えられるが、死因との関連は不明としている。

鳥羽水族館が飼育するダイオウグソクムシ
鳥羽水族館が飼育するダイオウグソクムシ


http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014082801000848.html