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東京・山手線支柱倒壊 国交省運輸安全委、調査せず。JR東日本へ「配慮」か?(東京)気づいていながら放置。まかり間違えば大惨事だったのに・・・

2015-04-14 00:27:07

写真・図版  
土台が浮き上がり、傾いた支柱=東京都千代田区、JR東日本提供
写真・図版   土台が浮き上がり、傾いた支柱=東京都千代田区、JR東日本提供

土台が浮き上がり、傾いた支柱=東京都千代田区、JR東日本提供


JR山手線の神田-秋葉原(東京都千代田区)間で十二日早朝、線路内で架線を支える支柱が倒れた事故は、走行中の電車に接触していれば脱線などの惨事につながる可能性があったが、国の運輸安全委員会による調査対象にならない見通しだ。対象として例示されている「安全に支障がある信号無視や設備、車両の故障」などに該当しないとの判断からだ。


 JR東日本は十三日午前、管内にある約二十五万本の支柱の一斉点検を始めた。対象の路線は、営業区間の七割強に当たる約五千五百キロメートルで、五月末までにすべての点検を終える方針。




 事故は十二日午前六時十分ごろ、山手線と並行する京浜東北線の運転士が発見。現場はその約一分前に山手線内回り電車が通過、三分後にも後続車が通る予定だった。




 運輸安全委事務局によると、調査対象になるのは鉄道の場合、列車の衝突、脱線、火災や、五人以上の死傷者を出した事故、遮断機のない踏切での死亡事故と、事故を招きかねないトラブルの「重大インシデント(事態)」。重大インシデントの例として、安全に支障がある信号無視や設備、車両の故障などが挙げられている。




 調査は監督官庁から通報を受けて実施する。今回なら国土交通省鉄道局だが、同局によると、十二日の事故は「すぐに電車の運行を止めている。輸送障害は起きたが、委員会へ通報する事故やインシデントには該当しない」という。




 委員会の調査は当事者の責任追及が目的ではなく、正確な原因究明を通じ、再発防止につなげるのが狙いだ。調査報告書は外部有識者の委員が話し合いで取りまとめて公開し、誰でも見ることができる。




 委員会が調査しなければ、今回の事故で得られた教訓や知見を外部で活用するための情報公開は、JR東の判断に委ねられる。同社は「原因や再発防止策を社内で調査する。結果公表については、まだ決まっていない」(広報部)としている。




 ただ同社もこれまで「事故」との認識は示さず、十二日の会見では「すぐに大きな事象にならず、十三日夜に対策を取れば大丈夫だろうと判断した」などと、単なる出来事を意味する「事象」との表現を使った。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015041302000296.html