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日本の研究者に米軍資金 12大学・機関に2億円超。東京工業大学が最大で1億円強(東京)

2015-12-07 17:54:34

toukoudaiキャプチャ

 米軍が二〇〇〇年以降、少なくとも日本国内の十二の大学と機関の研究者に二億円を超える研究資金を提供していたことが分かった。

 

 米国政府が公表している情報を基に共同通信が取材した。政府の集団的自衛権の行使容認で、今後は一層増加する可能性もあり、軍事と研究の在り方をめぐる議論に影響を与えそうだ。

 

 米政府は、十二を含む日本国内二十六の大学などの研究者に計百五十万ドル(現在のレートで約一億八千万円)超を提供したとしている。このうち十二の大学、機関が、公表されていなかった資金を含めて受け入れを認め、総額は二億二千六百四十六万円となった。残り十四は「文書の保管期限が切れており確認できない」「該当はない」などと回答した。

 

 在日米軍司令部は取材に対し「日本の大学や研究機関に数十年にわたって資金提供している。提供は主に陸軍や空軍など米軍の各組織の科学的な優先順位に基づいている」とコメントした。

 

 日本の学術界は先の大戦の反省から軍事研究と距離を置いてきたが、最近は研究費不足や、軍事技術と民間用技術の境目があいまいになっている傾向から抵抗感は小さくなっており、統一ルール作りが必要との声も出ている。

 

 東京工業大は〇五年以降、炭素繊維複合材などに関連する十一件の研究計八十七万ドル(同一億六百八十万円)の提供を受けることで米軍と合意している。学内で定めた要領に基づいて審議し「研究ポリシーにかなうと判断された」という。理化学研究所も〇〇~一〇年に二件で計四千七百九十八万円の提供を受けた。

 

 複数の大学や研究者は「研究費の不足を補うためだった」と説明。資金は研究に使う薬品の購入などに充て、米軍には「簡単な報告書を書いて送っただけ」としている。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120702000125.html