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ロンドンの英国議会前広場に シェールガス掘削リグが出現。水圧破砕による地震誘発を非難する環境NGOのデモンストレーション(RIEF)

2016-02-10 22:41:24

 

 英国の環境NGOのグリーンピースが、ロンドンの英議会広場で、シェールガス開発に反対するデモンストレーションとして、10mの高さの擬似掘削ドリルを設置し、観光客たちの度肝を抜いた。

 

 議会のシンボルであるビッグベンと並ぶように立てられたリグからは、一時間ごとに”フレア”が噴出するという懲り様。英国ではランカシャー州のBowland Basinで、エネルギー会社のCuadrilla Resources社が水圧破砕を用いたシェールガス探査を行ったところ、水圧破砕実施後に、再三にわたって地震が発生、不安に駆られた周辺住民から批判が盛り上がっている。

 

 そこで、地元のランカシャー議会は昨年夏、水圧破砕法の使用を否決した。すると、Cuadrilla社は英政府に働きかけた。英政府はシェールガス・油開発は英国のエネルギー需給を抜本的に改善するとして、コミュニティー担当大臣が、ランカシャー議会への介入検討を表明した。これに対して、今度は住民らが反対行動を起こしているわけだ。

 

 今回のGreenpeaceのでデモンストレーションはそうした活動の一環で、Cuadrillaが2ヶ所の探査サイトで行う住民説明会の実施日と日を合わせてアピールした。

 

 Greenpeaceの調査によると、住民の62%は、探査実施の可否については、中央政府が介入するのではなく、地方政府が判断すべきだとしている。しかしキャメロン政権は、政府が開発の是非を判断するほうが国家利益に合致するとの姿勢を崩していないという。

 

 Greenpeaceの活動家のHannah Martin氏は「政府の閣僚たちは、地方自治を横に押しのけ、不評の水圧破砕法を住民に押し付けようとしている」と強く反発している。環境被害や影響は地域の住民に引き受けさせ、「国家」としての利益追及を優先する姿勢は、民主主義では先行する英国でも同じようだ。

 

http://www.greenpeace.org.uk/