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水事業への投資=一部の投資ファンドが注目(Reuters)

2011-12-14 18:04:28

【12日ロイター時事】米サンディエゴに本拠を置くヘッジファンド、サミット・グローバル・マネジメントのポートフォリオマネジャーであるビル・ブレナンさん(49)は、起きている時間のほとんどは水のことを考えるのに費やしている。水関連の事業から利益を得ようとしている、少数の投資家の1人だ。

 水は全ての商品の中で人間生活にとって最も不可欠のものかもしれない。ただ、投資対象としては金の輝きもないし、石油の魅力もない。ブレナンさんは「いつでも水のことを気にかけている」と話す。

 運用資金5億ドルのサミットは水会社や貯水池、地下水の上にある土地、パイプラインなどを中心に投資している一握りのファンドの一つだ。純粋な水投資ファンドは世界的にも1ダースとはない。他の商品ファンドに比べると、バケツの中の一滴といったところだ。

 しかし、一部では、人口増加や農業、産業の拡大で世界のあちこちで真水が不足しつつある中で、これらのファンドは利益を上げる機会をつかんでいると見られている。老朽化した上下水システムの改修で利益を得られるのだ。米環境保護局(EPA)によれば、米国だけを見ても、これらの費用は今後20年で少なくとも5000億ドルに上るという。

 こうしたファンドに懐疑的な見方もあるが、ブレナンさんは強気だ。彼は、収入の少なくとも3分の1を水関連事業で得ている約400の企業の動向を注視している。これにはポンプやフィルターのメーカー、エンジニアリング、建設会社も含まれる。サミットの推奨銘柄はアメリカン・ウォーター・ワークスやブラジルのコンパニア・デ・サネアメント・バシコなどだ。

 ブレナンさんによると、運用資金のほぼ半分は株式に投資されている。証券取引委員会(SEC)への報告では、このうち米国株式が9600万ドル相当となっている。残りの2億5000万ドルは水利権に投資されており、水不足が顕著な米国西部やオーストラリア南東部で農地の下の地下水へのアクセス権を持っている。

 ブレナンさんは「一部の人々にとってはこの投資は退屈で時間がかかると見える」とし、この投資が最適なのは長期的投資をし、この分野の基調的成長を理解し、年6、8%、あるいは10%の利回りを期待する人々だと述べた。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011121300311