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1500キロ漂流、兵庫沖に 津波で流失 岩手・大槌の小船(河北新報)

2012-01-03 14:08:27

兵庫県の香美町沖の日本海で見つかった岩手県大槌町の「第3長栄丸」(神戸新聞社提供)
兵庫県の香美町沖の日本海で見つかった岩手県大槌町の「第3長栄丸」(神戸新聞社提供)


東日本大震災の津波で流された岩手県大槌町の釣り船が、兵庫県香美町沖の日本海で昨年12月31日に見つかったことが分かった。津軽海峡を越えて日本海に流れたとみられるが、海沿いに約1500キロ漂流した経路は不明で謎めいている。
 香住海上保安署によると、31日午前10時40分ごろ、香美町沖約1.2キロの海上で小型船が漂流しているのを、通りかかった漁船が発見した。小型船は長さ5.7メートル、幅1.6メートルで船外機はなかった。
 船体に表記された「岩手」の県名や小型船舶検査済み票から、震災で犠牲になった大槌町吉里吉里の左官業野崎長一さん=当時(63)=所有の釣り船「第3長栄丸」と、判明した。
 野崎さんの兄で、大槌町議の重太さん(68)によると、長一さんは釣りが趣味で、船は大槌町の吉里吉里フィッシャリーナに係留していた。長一さんは震災発生翌日の昨年3月12日、遺体で発見された。
 重太さんは「津波で流された大槌の船が北海道で見つかった話は聞いたが、兵庫の日本海側で見つかるとは本当にびっくりした」と驚く。
 香住海保は「日本海側の対馬海流は北上しており、太平洋側から物が流れ着くケースは聞いたことがない。小さな海流もあるが、どう流れてきたのか…」と首をかしげている。

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120103t75008.htm