プラスチック包装を、2025年までに100%再利用可能な素材に転換。290以上の企業・機関等が宣言。インドネシア・バリ島での国際会議で。日本からは1社も参加せず(RIEF)
2018-10-30 10:55:26
インドネシアのバリ島で開いた「New Plastics Economy Global Commitment」の国際会議で、コカ・コーラ、ユニリーバ、H&Mなどのグローバル企業。団体290社強が、プラスチックゴミ削減宣言を行った。宣言企業は世界全体のプラスチック容器生産量の20%を占める。①不要なプラ容器削減や使い捨てプラ製品の再利用型への切り替え②2025年までに包装用プラスチックを100%再利用型やリサイクル、生分解性型に切り替え――などを盛り込んだ。残念ながら、宣言には日本企業は加わっていない。
同会議は、廃プラ問題に取り組んでいる英国NGOのエレン・マッカーサー財団が、国連環境計画(UNEP)の支援で実施した。
脱プラ宣言には、コカ・コーラ等や、ペプシコ、大手スーパーのカルフール、食品飲料のネスレ、ダノン、ユニリーバ、包装資材のアムコア、化粧品のL’Orealなどのグローバル企業のほか、英、チリなどの各国も署名した。しかし、日本企業は一社も顔を出していない。気候変動対策では民間のNPO活動である「RE100」に署名してアピールした環境省も、プラ対策では存在感ゼロ。
宣言では、①不要なプラ包装をやめるとともに、使い捨てではなく、同じ製品を繰り返し使う(re-use)ことを促す②2025年までにプラ包装、容器を、再利用、リサイクル、堆肥化可能な生分解性材料へ100%切り替えることを確実にする③プラスチックの再利用を増やすか、あるいはリサイクルや新たな(生分解性)製品を増やして循環化させる、ことをうたっている。
この宣言に署名した各社は、今後、1年半ごとに自社の実施目標を見直し、達成度などを公表して透明性を確保する。
宣言の「Global Commitment」は、プラスチック包装についての「ニューノーマル(新たな常態)」を作り上げることを目指している。こうした企業主導の活動を、環境NGOのWWFのほか、世界経済フォーラム、消費財フォーラム(CGF:世界の消費財小売り・メーカーのCEO主導組織)、40の大学、研究機関、学者らも支援を表明している。
また運用資産額は2兆5000億㌦に達する金融機関も15機関以上が参加、プラスチック対策のための循環経済を創造するため、5つのベンチャーファンドに合計2億㌦以上を投じることを約束した。欧州投資銀行、ING、BNPパリバAMなどが加わった。
会議を主催したエレン・マッカーサー財団の創設者のマッカーサー氏は、「海岸や海に浮かぶプラスチックゴミを回収することは重要だ。しかし、清掃だけでは毎年大量のプラスチックが海洋に流れ込むことを防げない。流れ込む上流に働きかけねばならない。われわれはビジネス、政府、他の世界中の組織とともに、プラスチックを循環させる経済を創り上げる明確なビジョンに基づき、事態を転換させていこう」と呼びかけた。